【B&G職員リレートーク】幅広い視野と当事者意識


こんにちは。事業部事業課の田口です。岐阜県の中津川市役所から1年間派遣研修で働いています。よろしくお願いします!

 

中津川市といえば、2027年開通予定のリニア中央新幹線、中津川市には岐阜県駅と車両基地が整備されます。現在の東海道新幹線では中津川~東京間で約3時間かかりますが、10年後には約1時間で行けるようになります。首都圏に近くなる中津川市にぜひ来てくださいね!

 

さて、今回は私が市役所時代に携わったことのある「公共施設の更新(建て替え)問題」についてお話します。固いことを話すのは公務員らしい(?)ですが、お付き合いくださいませ。

 

中津川市は、「リニアのホームタウンなかつがわ」をキャッチフレーズに、リニア時代に向けたまちづくりを進めている

中津川市は、「リニアのホームタウンなかつがわ」をキャッチフレーズに、リニア時代に向けたまちづくりを進めている

 

更新ピーク近づく公共施設

 

生き物に寿命があるように、建物にも「耐用年数」といって利用できる年数に限りがあり、鉄筋コンクリート造りだとおよそ50年~60年といわれています。多くの自治体では、1970年代~1980年代にかけて集中的に公共施設が建設されましたので、まもなく施設の更新が多くなる時期を迎えます。

 

しかし、地方では過疎化などによる人口減少で、税収の減少や施設需要の変化があり、全ての公共施設を更新することは難しい状況です。各自治体では、更新する施設を限定して、施設によっては、廃止して取り壊したり、他の施設に統合したり、長寿命化工事を行ったりなどして、この更新問題を乗り越えようとしています。

 

どの施設が更新や統廃合、長寿命化工事になるかは、各施設に対する評価で決まります。行政は、公共性や需要性(利用者人数など)、収支バランスなどによって数字上の評価は出せますが、利用者である住民の評価・理解が何よりも大事になります。施設更新に限りがある事を前提に、どの施設を残して、どの施設を廃止するのか、個別の事情ではなく地域全体の事情を踏まえた評価が大切だと思います。

 

中津川市の市有施設の更新時期を年代別にまとめた。延床面積でみると、2010年代から急増し、2020年代~2030年代にピークを迎えることが分かる

 

公共施設の新しい利活用~海洋センターの事例~

 

これまで話した通り、施設の機能が変わらなければ、ニーズの多様化などで施設の需要が減り、行政や住民から不要と判断されれば、公共施設は廃止されます。公共施設でも新しい利活用を検討することが必要です。

 

新しい利活用について、B&G財団と海洋センターの取り組みを考えてみます。B&G財団が全国480市町村に建設したB&G海洋センターは、各自治体の公共スポーツ施設として、長年地域に根付いて機能してきました。こうした実績があり、自治体から長期的に利用する方針が出されている海洋センターは数多くあります。しかし、他の公共施設と同じくニーズの変化が進んでおり、施設のあり方を見直す時期を迎えています。

 

そこで、B&G財団では海洋センターをさらに多様的に利用されることを目指して、施設の「多機能化」を推進していきます。例えば、キッズスペースを設置して子育て世代の交流の場を作ったり、学習机や書籍を整備して子どもたちの学習機会や放課後・長期休みの居場所を作ったりした海洋センターがあります。このように、「スポーツ施設」主体から「地域コミュニティの拠点」として、住民に幅広く利用される施設に変わろうとしています。

 

こうした多機能化や他施設からの機能集約が可能な施設は、必要性の高い施設として存続できると思います。住民のニーズを把握し、住民から理解・協同されるプランを提案できるか、行政の手腕が問われます。私も固定観念を取り除き、B&G財団で経験した「幅広い視野」を持って、この問題を職員として住民として当事者意識をもって考えていきます。

 

中津川市付知B&G海洋センターでは、学習スペースやミニ図書館を新たに設置し、絵手紙サークルなどを開催している。幅広い世代での多様な利用へ広がりつつある

中津川市付知B&G海洋センターでは、学習スペースやミニ図書館を新たに設置し、絵手紙サークルなどを開催している。幅広い世代での多様な利用へ広がりつつある

 

おまけ すべての「ご縁」を大切に!

 

私は今回の派遣研修で、地元の自治体から離れ、財団勤務や全国各地への出張を通じて、自分の視野が狭いことを痛感しました。幅広く情報を収集・共有し、既成概念に捉われないことで、視野の広い仕事をやっていきたいと思います。

 

いろいろな人との「ご縁」を広めていくことにより、情報交換や多様な考え方を知る機会が増えます。これからも、今は見えない「ご縁」を大切にしていきたいですね。


事業部 事業課 田口恭平

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