【B&G職員リレートーク】「まさか」から「もしも」の発想であなたの周りを安全に


海洋センター・クラブ課の鈴木です。

皆さんは、「まさか」自分に起こるなんてと思ったできごとはありませんか。

 

遡ること20年程前、水の事故の第一救助者となる「まさか」が起きました。

 

中学・高校と水泳部に所属した私は、大学生になり近隣の夏季限定屋外レジャープール施設でライフガードをしていました。そのときに事故は起こります。

 

そのプールには、プールの上をまたぐようにプールとプールをつなぐ橋が架かっており、橋を支える柱がプールの中にありました。プールサイドを巡回しながら監視しているとき、利用客が柱を見て何か慌てていました。すぐさま駆け寄ると、なんとプールの壁と柱のほんのわずかな隙間に子供の頭が入り込み抜けなくなっていました。

 

想定外。「まさか」の事態です。

 

すぐ救助し、監視していた本部からも応援が駆けつけます。

意識なし。救急車の出動要請。呼吸なし。CPRを開始。

現場で必死の救命活動を行います。

 

本人が一番「まさか」頭が抜けなくなるとは思っていなかったはずです。

 

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レジャープールという性質上、小学生低学年の子供が、足の届かない水深140センチの深さまで来ようとすることはよくあります。

 

自分も同じことをした経験があるので、気持ちもとてもよくわかりますが、注意して戻るよう声を掛けたり、足の届くお兄ちゃんやお姉ちゃん、大人と来るように促すことで事故を未然に防いでいましたが、「まさか」この事態は想定していませんでした。

 

結果としては、子供の命は助かり、後遺症もありませんでした。

 

しかし、それは偶然が重なったからに過ぎません。

 

すぐに発見できたこと、うまく頭が抜けたこと、本部からの応援が早かったこと、CPRが時間をおかずに実施できたことなどすべてが揃ったために、悲しい事故にならなかっただけであり、「まさか」の事態は起きてしまったのです。

 

後日、元気に回復した子供がお父さんと一緒に、またプールに遊びに来たときの子供の笑顔が忘れられません。

 

ところで、私は最近6か月になる娘とベビースイミングを始めました。

 

スイミングパンツ(水遊び用のおむつ)をつけてプールに入り、顔に水がかかっても水に潜ってしまっても泣かない娘。生まれてから、一緒にお風呂に入るときにはいつも水遊びをしていた成果でしょうか。

 

赤ちゃんは生まれるまでお母さんの羊水の中で育ち、水を怖がる赤ちゃんはいないと言われています。

 

他の参加者は1歳以上の赤ちゃんが多く、中にはすでにプール大好き、自由時間に何度もプールに飛び込む1歳6か月の赤ちゃんもいます。

 

本来持っている赤ちゃんの水慣れ力に驚かされます。

 

ベビースイミングは我が家の「まさか」防止策の一つです。

 

赤ちゃん用スイミングパンツ

赤ちゃん用スイミングパンツ

 

当財団では、”もしも服を着たまま水に落ちてしまったら”、そんなときの対処法を教える「水辺の安全教室」を全国各地の小学校などで実施しています。

 

2リットルのペットボトル1本で大人でも浮くことができます

2リットルのペットボトル1本で大人でも浮くことができます

 

都内小学校でも毎年20校程行っており、現場の指導に携わる中、後頭部を水につけられない、顔を水につけられない児童が増えてきているように感じます。

 

誰も自分の身近な人の「まさか」に出会うことを望んでいません。

 

これから行楽シーズンを迎えるにあたり、親として自分の子供のために、自分の地域で悲しい事故が起きないよう、「まさか」を「もしも」に変えるためにできることを考えてみませんか。

 

 

▼水辺で安全に遊ぶため、「もしも」のためにぜひこちらもご覧ください

 

不慮の落水から身を守るための4つの方法

(背浮き・浮くものを使用した背浮き・ペットボトルを使用した救助・ライフジャケットを着用した背浮き)

 

川の事故を防ぎ、安全に遊ぶための5つのポイント

 

 

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事業部 事業課 鈴木 昭正

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