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No.008:愛媛県愛南町 清水 雅文 町長 健康づくりで愛南(あいなん)づくり
2017.10.03 UP

プロフィール

清水 雅文(しみず まさふみ)町長
1950年5月25日生まれ 愛媛県愛南町出身
西海町議会議員(1期)を経て、2004年新設合併・発足に伴う愛南町議会議員(1期)に就任
2008年4月、愛南町議会議員辞職
2008年10月、愛南町長選挙に出馬し、初当選 現在3期目
趣味は柔道、空手などの格闘技

海洋センターが健康増進の拠点に

「びやびや(とれたて)鰹」や高級魚「スマ」(クロマグロの近縁種)など海産物が特産の愛媛県愛南町は、県下で最も医療費が低く、元気な高齢者が多いことで知られています。
町民の健康づくりに力を入れている同町の取り組みや、全国で有数の利用者数を誇る愛南町御荘B&G海洋センターの運営や活用方法について清水町長にお話を伺いました。

- 愛南町御荘B&G海洋センターの現在の運営と今後の活用予定についてお聞かせください -

オタッシャ教室で継続して運動する高齢者の方々

 愛南町御荘B&G海洋センターは、子供からお年寄りまで、年間で延べ7万5000人を越える利用があります。平成5年に建設されてから24年が経ちますが、今では町民の健康増進の拠点として地域住民に愛される施設となっています。

 愛南町は、県下で一番医療費が少ないのですが、その理由の一つとして、高齢者の健康管理が挙げられます。愛南町御荘B&G海洋センターでは、高齢者を対象とした運動教室「オタッシャ教室」を実施しており、多くの高齢者が継続した運動を行っています。

 ※オタッシャ教室・・・高齢者を対象にした転倒・寝たきり予防のためのプログラムをベースに、登山やマリンスポーツ体験などを加えて考案された運動教室。B&G財団の運動ノウハウと、身体教育医学研究所(運営委員長:武藤芳照東京大学大学院教授=現同研究所名誉所長、東大名誉教授)を中心とする研究グループが開発した「健脚度(R)」測定(商標登録第4752854)が活用されている。

平成25年度に外壁を全面改修し、使いやすくなった愛南町御荘B&G海洋センター

 このオタッシャ教室に参加された高齢者の方々が、シニアシークラブとしてカヌーに乗り、御荘湾で活動しています。このシニアシークラブの皆さんが、B&Gのイベントで子供たちにカヌーを教えに来たりすることもあるんです。高齢者が体を動かす場として、海洋センターが活用され、医療費の低下にも繋がっているのかもしれません。

 また、こういった高齢者がグループを作り、カラオケ大会やお茶会を開いたりしているので、コミュニケーション形成の場としても活用されています。これからも、海洋センターは、高齢者の健康づくり、コミュニケーション形成の場として活用していきたいと思っています。

- 今年、えひめ国体のマリンスポーツや女子サッカーの会場になっていますが、町として力を入れているスポーツは何ですか -

えひめ国体のマリンスポーツ会場として賑わった

 愛南町にある御荘湾は、透明度の高い海と心地よい風が吹きます。マリンスポーツをやるにはもってこいのロケーションですから、当然、愛媛県や四国地方内のB&G海洋センターが協力して、カヌーやボートなどのマリンスポーツを活発に行っています。

 今年の5月には国体のマリンスポーツのデモンストレーションスポーツ会場として、180人の方が愛南町でカヌーやバナナボートを楽しみました。

 あと、町のスポーツと言ったらトライアスロンが有名です。今年度で第6回を迎えるトライアスロン大会は毎年大盛況なんです。

  • JTU公認のトライアスロン大会

 愛南町で開催する大会はJTU(ジャパントライアスロン連合)の公認競技になっていて、レベルの高い選手が集まります。10日間くらいで申し込みも埋まってしまうほどの人気ぶりです。

それもあって、町内からは1000人を超えるスポーツボランティアが集まってくれるので、トライアスロンの会場としても、マリンスポーツの会場としても盛り上がっています。

(文:鈴木 慶

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町の中心部に位置し、国道56号線から約500m、閑静な住宅街にあります。近くに、四国八十八箇所の40番札所、観自在寺があり、毎日お遍路さんの巡礼姿を見ることができます。
また子供たちの未来への大きな夢を育む夢創造館(児童館)や児童公園があり、かつ隣には平城小学校があることから、常に子供たちの元気な姿と接することができる環境です。