スペシャル 夢をつなげ!B&Gアスリート

No.012:中道 穂香選手(障害者水泳 2017ジャパンパラ水泳競技大会 女子400m自由形 優勝) 愛南町御荘B&G海洋センターで育つ障害者スイマー
目指すは東京パラリンピック!

2017.09.19 UP

プロフィール 中道 穂香(なかみち ほのか)
2000年10月生まれ、愛媛県愛南町出身。
先天性右下肢欠損で生まれつき右足がない中道さん。小学2年生から愛南町御荘B&G海洋センターで水泳を始める。
2015年、「B&G全国ジュニア水泳競技大会」に出場し、健常者と同じ舞台で白熱したレースを展開。同年にロシアで開催された障害者のスポーツ国際大会「IWAS大会」では、日本代表として出場し、100m背泳ぎで4位。翌年のいわて国体では、女子50m背泳ぎで優勝に輝き、今年9月に東京で開催された2017ジャパンパラ水泳競技大会では、400m自由形で優勝を果たした。
今は2020年東京パラリンピックを目指して日々練習に励んでいる。

前編:「浮力で自由に体が動かせる」 母の勧めで始めた水泳

1999年からB&G財団が主催している「B&G全国ジュニア水泳競技大会」。第16回を迎えた2015年の同大会には、右足に障害がある中道穂香さん(当時中学3年生)が中学生の部女子100m自由形と50m背泳ぎに出場し、多くの仲間から大きな声援を受けました。彼女の参加を機に、2016年度から、同大会に障害者が出場できるレース枠を設置。障害者と健常者が競い合う水泳大会になりました。
日頃、愛媛県の愛南町御荘B&G海洋センターで練習に励む中道さん。2014年のジャパンパラ水泳大会で2位に入り、2015年にロシアで開催された国際大会には日本代表として出場、翌年のいわて国体では、女子50m背泳ぎで優勝しました。「夢は、2020年の東京パラリンピック出場」と語る中道さんに、普段の練習や今後の意気込みなどについてお聞きしました。

- 水泳をはじめた経緯を教えてください -

 小学2年生のとき、母から海洋センターのプールに通うことを勧められて始めました。私は先天性疾患で右足がないので体のバランスを取ることが難しいのですが、「水泳なら浮力を使って自由に体を動かせるから、スポーツとして楽しめるのではないか」と母が言ってくれたのです。実際、泳いでいるときは楽しいし、筋肉も鍛えられていきました。愛南町御荘B&G海洋センターのスタッフの方々も、私を快く受け入れてくださって、本当に感謝しています。ここにB&Gのプールがなければ、今の私もありませんでした。

水泳を始めた頃の中道さん


- いつから競技に出るようになったのですか -

 小学5年生の頃、担任の先生から「こんな大会があるよ」といって勧められて、障害者の大会の地区予選に出たのが初めてです。知らない人ばかりの中で泳ぐことにとても緊張しましたが、同じ県の同じ歳の子に負けたことが悔しくて、この大会には毎年、出場していくようになりました。負けず嫌いの性格なんです(笑)。

- 普段、どのぐらい練習しているのですか -

 小6の時、練習メニューが強化されました。そこで最初ちょっと辛いって思ったんです。でも、辛さより楽しさの方が勝っていたので、夢中になって練習に取り組んでいくようになりました。

 中学生になってからは水泳部に入って毎日、放課後5時半ぐらいまで学校のプールで練習し、それから13人いる部員全員が海洋センターまで歩いて行って、8時ぐらいまで海洋センターのコーチに指導してもらっていました。一緒に通っている仲間は学年が違っても家族のように仲が良く、海洋センターでは山本コーチをはじめ、中学校の頃からお世話になっている浜岡さんなど、複数のコーチが交代で見てくださったので、とても充実した練習ができました。

 高校生になった今は、山本コーチ指導のもと、健常者の人たちと同じ練習メニューに取り組んでいます。

中学校の部活終了後、海洋センターで練習した後の一枚


※後編に続きます

(文:鈴木 慶

後編:健常者と同じ舞台に挑み続けたい

町の中心部に位置し、国道56号線から約500m、閑静な住宅街にあります。近くに、四国八十八箇所の40番札所、観自在寺があり、毎日お遍路さんの巡礼姿を見ることができます。また子供たちの未来への大きな夢を育む夢創造館(児童館)や児童公園があり、かつ隣には平城小学校があることから、常に子供たちの元気な姿と接することができる環境です。