スペシャル 夢をつなげ!B&Gアスリート

No.006:抜井 理紗選手(日本を牽引するトップジュニアセーラー) 国内外の大会で活躍する海洋クラブのOP級ヨット選手!
2017.03.21 UP

プロフィール 抜井 理紗(ぬくい りさ)
2002年3月生まれの15歳、兵庫県芦屋市出身。
小学2年生からB&G兵庫ジュニア海洋クラブでヨットを始め、その翌年にはB&G OP級ヨット西日本大会で準優勝。B&G財団が沖縄県で実施した「B&Gドリームキャンプ」に参加した後、国内外の大会で活躍。
オプティミストディンギー級(通称OP級:15歳までの年齢制限がある全長2.31m、全幅1.13mの小さなヨット)では2016年全日本総合優勝・女子優勝三連覇。現在はさまざまな艇種に挑戦中。

ヨットの魅力にのめり込む

兵庫県芦屋市に生まれ、ヨット愛好家の両親のもとで育った抜井理紗さん。彼女がヨットと出合ったのは必然だったのかもしれません。

「小学2年生のとき、父に誘われたことをきっかけに、ヨットに乗るようになりました。家が近いこともあって、B&G兵庫ジュニア海洋クラブに入りました」

最初は遊びの感覚でヨットに乗ったそうですが、練習していくにつれてヨットとレースの魅力に惹かれていきました。

「海は障害物があるわけでもないし、風だけでどこでも行けるところがヨットの魅力ですね。レースでのコース取りを考えて戦略を練るのも面白いです。あと、ヨットという競技を通じて、日本に限らず世界中に友達がいっぱいできることも魅力の一つだと思います」

抜井さんの初めての大会は、ヨットを始めて間もない小学2年生の秋。兵庫県伊丹市で開催されたOP級の初心者クラスの大会でした。

「その時は、しんどさしかなかったです。初心者の大会としては比較的風が強く、あまりうまく走れた覚えがありません。笑」

伊丹市の瑞ヶ池で初レース


練習を始めて間もない時期に出場した大会でもあり、よい結果は残せませんでしたが、この後から抜井選手は着々と大きな実績を重ねていきました。

自信に繋がったB&Gドリームキャンプ

「ヨットを始めて最初の1年間は、狭い湾内から外に出ず、父と海洋クラブのお父さんお母さんやOBの方々がボートに乗って、私の艇と併走しながら基礎を教えてくれました。みっちりと基礎を教わったおかげで、1人で帆走できるようになりました」

当時の練習を振り返る抜井さんは、小学3年生の7月、B&G財団が大分県で開催した「2010 B&G OP級ヨット西日本大会」に出場。上手にコース取りをして、見事準優勝を飾りました。そしてその成績によって同年12月、沖縄県で実施された「B&Gドリームキャンプ」の切符を手にすることができました。

「B&Gドリームキャンプ」とは、マリンスポーツを愛好する小学生の技術向上と海洋環境の学習を目的に開催した4日間の合宿セミナーで、B&G全国スポーツ大会や各地域のB&Gスポーツ大会のOP級ヨットやカヌーの部において優秀な成績を収めた小学生13名を、B&G財団が沖縄に招待して実施していました。 参加した子供たちは、美しい沖縄の海をフィールドに、世界で活躍する一流講師のレッスンを直接受けることができます。

そこで抜井さんは、アテネ五輪セーリング競技日本代表監督の小松先生から本格的な指導を受けることができました。

アテネ五輪セーリング監督の小松先生と2ショット


「B&Gドリームキャンプでは、練習2日目がとても印象に残っています。それまでは、ほとんど沈をしたことがなかったのですが、当日はとても風が強く、1日で2回も沈をしてしまいました。でも、小松先生に『ハイクアウトの姿勢が良い』と褒めてもらえたことで、そのあとは自信を持って練習に取り組めるようになりました」

その経験を糧に、国内の大会で多くの実績を重ねていった抜井さん。小学6年生のときには、神奈川県で開催された「IODA Asian Championship 2013」という国際大会に日本代表チームのメンバーとして出場しました。

「通常、風が弱いと軽い体重の選手が有利になるものです。この大会でも風が弱いレースもありましたが、体が大きい選手が小さい選手と同じくらいのスピードで走っていました。海外の選手は、同じ体重でも走らせ方が全く違い、とても感心し勉強になりました」

小学生の頃から世界で戦い続けた抜井さん。他国の選手と交流したことを振り返ります。

「私は英語があまり上手なわけではありません。でも、英語が話せない他国の選手も大勢いたので、言葉のハンデはあまり感じませんでした。英語が話せない人同士で条件は同じ。だからこそコミュニケーションをとることは意外と難しくなかったです」

日本代表チームの一員として世界大会に参加した抜井さん(写真右)。
他国の選手との交流も楽しみました


OP級ヨットからの卒業

ヨットを始めて4年間。世界で戦う選手にまで成長した抜井さんは、小学校卒業後、地元の中学校に進学しました。意外にもヨット以外のスポーツは苦手らしく、部活は茶道部に入部しましたが、B&G兵庫ジュニア海洋クラブでヨットの練習は続けていきました。

そして中学1年でアイルランドへヨーロッパ選手権に、中学2年でポーランド、中学3年ではポルトガルにて開催された「Optimist World Championship」にOP級日本代表として出場しました。

「中1中2の頃は自信もあり、世界でも通用すると感じて大会に臨みました。でも中3のポルトガルのワールドは風がなく波が大きいという、普段と全く違う海面でもあり、自分の思い描いた通り走ることができませんでした。今後は自分が不利だと感じてしまう状況や心理状態でも、柔軟に対応できるように、メンタルを強化していきたいです」

2016年11月には、福岡県で行われた「全日本オプティミスト級セーリング選手権大会」で優勝し、OP級で出場する最後の大会で見事有終の美を飾った抜井さん。

「今後は、大学で大活躍を続けている田中美紗樹選手や高野芹奈選手のような海洋クラブの先輩の背中を追って、一人乗りのレーザー級とともに、二人乗りの29er級を中心に様々な艇種と世界の強豪にチャレンジしていきたいです!」と意欲満々でした。
※完

先輩達に続いて世界で活躍する姿を楽しみにしています!
頑張れ!抜井さん!


※次回《夢をつなげ! B&Gアスリート》No.007:<セーリング>岡田 奎樹 選手(4月3日掲載予定)

(文・鈴木 慶

土日祝を中心に、兵庫県立海洋体育館(兵庫県芦屋市)で年中ヨットの練習を行っています。卒業生は、インターハイや国体、オリンピックナショナルチームで活躍しており、高野選手も、同クラブで約1年半練習に励みました。