B&G財団WEBマガジンアンドリー

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 "百聞は一見にしかず"をモットーに、嬉しいことも悲しいこともアンドリーが現地で見て感じたことをご紹介いたします。

台風23号の被災地 =兵庫県豊岡市・出石町=

 ご承知のように、10月13日に発生し19日から21日にかけ日本列島を縦断した超大型の台風23号は、全国に甚大な被害を与えました。
 台風の進路に当たった兵庫県では、死者25人、重軽傷者83人、家屋の全・半壊385棟、20,000件を上回る床上・床下浸水など(10月31日兵庫県発表)、甚大な被害状況です。
 アンドリーが今回訪れたのは国内のかばん生産80%ものシェアを誇り"かばんの街"として名高い兵庫県豊岡市と「出石そば」や「出石城跡」で有名、B&Gの海洋センターもある出石町です。豊岡市や出石町は、円山川や出石川の決壊により大きな水害を被った地域です。

 10月28日、まずは豊岡市の「豊岡市水害ボランティアセンター」の設置されている「豊岡市総合体育館」へ行ってきました。通常だと豊岡へは東京から新幹線で京都乗り換えのルートで行くところ、一部路線が復旧していないため姫路経由で豊岡へ入りました。
 豊岡駅を降りると普段通り?の往来で駅前は"ここが水害にあった街?"と疑うほど平穏。しかし、一歩横道に足を踏み入れると民家や商店の前には泥にまみれた家電製品や畳、絨毯、日用品などが山積みになっており、やはり大変なことになってると実感しました。
 
 
豊岡市総合体育館の駐車場に設置された「豊岡市水害ボランティアセンター」

 兵庫県に出かける数日前の新聞に「10月23日、新潟県中越地方を襲った"中越地震"により、マスコミやボランティアの皆さんの目が新潟に向き、台風災害地はボランティア不足となっている」との記事が掲載されていました。その記事の反響か「豊岡市水害ボランティアセンター」には作業服を着たボランティアの皆さんが全国から大勢集まっていました。ここでは、ボランティアの皆さんの受付や諸注意、作業場所などが振り分けられていました。  
受付に並ぶボランティアの皆さん

 次に向かったのは出石町。同町でも被害の大きかった鳥居地区は県道から出石川を渡った地域で、未だ一般車両は通行止めとなっています。橋を渡りその地区へ入ると、目に飛び込んできたのは基礎がむき出しになった家、土砂が流れ傾いた民家、今では粗大ゴミとなってしまった家財などを積んだ多数のトラックの往来など想像以上の惨状でした。既に台風が去り1週間以上が過ぎていますが、未だに冠水している地域もあり復興作業も難航しているとのことです。
 
水と土砂の威力を見せ付けられた出石町鳥居地区の被災現場

  アンドリーは出石川の近くに建つお宅の1つにお邪魔しました。新築3ケ月というお宅は、1階が全て流入泥に埋まり、家の基礎部分がむき出しに、また裏にある畑は全て泥に覆われるなどの甚大な被害にあっていました。
 そのお宅では、家の人に混ざり若い女の人2人が作業をしており、聞くと2人とも町内の人で、自分の周辺は被害がほとんど無かったので手伝いに来ているとのことでした。早速2人に混ざり、土砂に埋まった自然の草木・家の資材・畳・家電などの分別作業をお手伝いしました。地盤が悪いうえ家屋に衝撃を加えられず、ましてや土砂の中に何が埋まっているかも分からないため、むやみに重機などを使うことが出来ないらしく、まさに人海戦術しか方法がないことを痛感しました。
 
悪魔と化した出石川も穏やかな流れに   不幸中の幸いにも倒壊を逃れた民家

 被災地の皆さんは災害のショックに加え、不自由な非難生活や連日の復旧作業などで、皆疲れきっています。それでも、入れ替わりでお手伝いにくるボランティアの皆さんには、笑顔を作り気丈に話す姿がとても印象的でした。
 兵庫県に限らず、今年の日本は度重なる自然災害に見舞われ全国各地で深い爪あとを残しています。全国の被災地の1日も早い復興と、被災者の皆さんの本当の笑顔が戻る日をお祈りしています。


 日頃から復興作業などのボランティア活動に参加されている皆さんには"要らぬお世話"でしょうが、これから活動してみたいと思っている方へちょっとアドバイス。

@ まずは情報収集から
※「とにかく行けば役に立つ」などと焦らず、被災地のボランティアセンターなどに状況やどんな作業を募集しているかなど確認しましょう。
A 自分の食事や飲み物は事前に用意していきましょう。
※被災者の方に、食事などいらぬ心配をさせないように。また、被災地ではコンビ
ニなどもないと考えたほうが無難ですよ。
B 自分の体力や体調に注意しながら作業を行いましょう。
※作業をしていると他の人との兼ね合いもあり、どうしてもオーバーワークになりが
ちです。あくまでも自分の体調を優先させることが大切ですよ
C いくら頼まれても、危険と感じる時などはNOと言いましょう。
※ セルフレスキューが大前提です。危険な場所の作業を頼む人はいないと思いますが、
いくら被災者の頼みでも、なんでもYESの必要はありません。
D もちろん、お礼などの金銭や品物はお断りしましょう

ボランティアなどの支援活動に関する各種情報は、日本財団をはじめ自治体や各種団体がホームページなどに掲載していますので、確認してください。

 


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