注目の人 平成20年度小笠原特集


平成19年度体験クルーズの様子
 31年目を迎えた今年のB&G体験クルーズ。492名のメンバーたちが全国から集まって、元気良く小笠原に行ってきました。その楽しい旅を支えてくれたのは各組のリーダーにほかありません。
 今回の注目の人では、組リーダー4名、ボランティアリーダー4名、ジュニアボランティアリーダー3名の皆さんのインタビューを、5回に分けてご紹介していきます。

※インタビューは帰港前日(第5日目)に行っています。
※各人の肩書き等は3月末日現在のものです。



第8話:船酔いしている暇はありませんでした 堺谷 将君 2組 ジュニアボランティアリーダー/高校3年生/香川県(高松市国分寺B&G海洋センター)

堺谷 将君 ■ 堺谷君は昨年もジュニアボランティアリーダーを務めており、中学2年生のときにはメンバーで参加しています。メンバーとして乗ったときとリーダーとして乗ったときの違いを、どのようなところに感じましたか。

 メンバーのときは船酔いで横になって休んだりもしましたが、リーダーとして参加すると酔っている暇なんてありません。自分の心配をする前に、まずは船酔いに苦しむメンバーの世話をしたいと思うからです。今回も船が揺れ始めると、歩き回ってメンバーの様子をチェックしました。

参加者の子どもたちと ■ そのようなたいへんな仕事を、なぜ今回もしたいと思ったのですか。

 メンバーの知らないところで次の行動の準備をするなど、裏でメンバーを支える仕事に大きなやりがいを感じるからです。メンバーが寝た後に軽い夜食が出たりすると、働いている実感が湧いて気持ちが充実します。

 また、こうした船上生活を共に過ごしながらジュニアボランティアリーダー同士の交流が日増しに深まっていくことも大きな楽しみです。




第9話:この経験を活かして教師の道をめざしたい! 岡本 ひかりさん 3組 ジュニアボランティアリーダー/高校1年生//北海道(大空町東藻琴B&G海洋センター)

岡本 ひかりさん ■ ジュニアボランティアリーダーとして参加した動機を聞かせてください。

 一昨年にメンバーとして乗船した際、私の組を担当してくれた女性のジュニアボランティアリーダーがとてもやさしくて頼れる存在だったので、私もその人のようにクルーズのお手伝いをしてみたいと思いました。

■ 今回の乗船について、家族はすぐ賛成してくれましたか。

 母はボランティア活動に関心が高く、私がジュニアボランティアリーダーを務めることについても、「B&Gの体験クルーズは社会性を育むよい機会だ」と言って背中を押してくれました。

■ これまでを振り返って、ジュニアボランティアリーダーの仕事はいかがでしたか。

 リーダーは、いつどこで何をするのか正確に把握していなくてはいけませんし、常にメンバーたちの体調管理にも気を配ります。ですから気を張りながら行動し、子どもたちの命を預かっているのだという実感をすごく抱きました。

ライフセービングの指導をする岡本さん ■ 楽しかったこと、うれしかったことについてお話ください。

 私の町は小さいので、友だちといっても幼稚園から中学まで一緒のクラスで過ごした仲間が少なくありません。ですから、メンバーとして参加したときも含め、クルーズを通じて全国に友だちができたことはとても大きな財産です。

 また、メンバーで乗ったときは気の合う子同士で動くことが多かったのですが、リーダーとして参加した今回は他の組の子にも声をかけて世話をしたので、自分としてはより積極的な人間に成長できたような気がします。

 将来は学校の先生になりたいと思っているので、クルーズでジュニアボランティアリーダーを務めた体験は、これからきっと役に立つと思います。




第10話:リーダーを務めて年長になった自分を実感 谷中 理矩君 6組 ジュニアボランティアリーダー/高校1年生/茨城県(B&G茨城八千代海洋クラブ)

谷中 理矩君 ■ 谷中君はこれまでにメンバーとして3回乗船していますが、クルーズのどんなところが好きですか。

 普段遊びに行く海とはまったく違う景色の大海原を船で進み、小笠原に着いてもすごくきれいな海が待っています。そんな船旅がとても感動的で、しかも船の生活を通じていろいろな地方の友だちと出会うところに魅力を感じます。

■ 今回はメンバーではなく、ジュニアボランティアリーダーとしての参加です。これまでとは、また違った体験だったのではないでしょうか。

 メンバーで参加していた頃は、自分たちの知らないところでリーダーたちがいろいろな仕事をしていることを、ある程度は想像していました。しかし、実際に自分がリーダーを経験してみると、思った以上にたいへんな仕事でした。

 でも、メンバーのために動けば動くほど彼らから頼られるようになっていったので、仕事は忙しくたいへんでも充実感を得ることができました。もともと人の世話が好きなので、メンバーたちから頼られるほどにうれしくなっていきました。

ライフセービングの指導をする谷中くん ■ そのなかで、特に印象に残っていることはなんですか。

 日が増すにつれて、メンバーたちと心が通じ合っていきました。年齢も出身地も異なるメンバーたちとコミュニケーションを取ることができたのは、とても貴重な体験です。

 また、メンバーの見ていないところで彼らのためにいろいろ働くところに満足感を覚え、それが楽しさになっていきました。加えて、メンバーと接しながら彼らの幼さや無邪気さを感じる場面もあり、そんなときはちょっと年長になった自分を実感することができました。