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B&G体験クルーズ特集

年上のリーダーとも、いろいろな話ができました
 3月26日(日)〜3月31日(金)に実施された、平成17年度B&G体験クルーズにスポットを当て、リーダーやボランティアリーダー、ジュニアボランティアなど、子どもたちの船上生活を陰で支えてくれたスタッフへのインタビューを連載でご紹介します。

体験クルーズで芽生えた環境問題への意識

林くん
自然環境に興味があるという林君

  群馬県みなかみ町に住む高校2年生の林伸幸君は、 今回の体験クルーズにジュニアボランティアとして参加しました。

「ボクが住んでいる地域では、毎年、中学2年生を対象にB&G体験クルーズの募集が行われています。3年前、ボクも友人たちに誘われて体験クルーズに参加しました」
  子どもが好きで、将来は保育士になりたいと考えていた林君。全国から500人近い子どもたちが集まる体験クルーズに大きな関心を寄せました。

 「たくさんの子どもが同じ船に乗るので、とても楽しみにしていたところ、想像以上に大勢の子と接することができ、友だちもいっぱいできたので驚きました」



 体験クルーズで得たものは友人だけではありませんでした。3年前の体験クルーズでは、オーシャンファミリー・葉山自然海洋体験センター代表の海野義明先生とともに、故ジャック・モイヤー博士が講師として乗船。海野先生とともに、さまざまな海洋性生物の話を子どもたちにしてくださいました。林君にとって、そのときの体験がとても貴重なものになっているそうです。
説明をする故モイヤー博士
平成14年度体験クルーズでの一場面。メンバーに語りかける故モイヤー博士

 「小笠原に行ってクジラを見ることに期待をしていたこともあって、船の上でモイヤー博士や海野先生が語ってくださった海の生物の話に耳を傾けていたら、しだいにのめり込み、気がついたら自然や環境の問題についてとても興味を抱くようになっていました」
 体験クルーズから帰ると、林君は環境問題に関する本を読むようになり、植林に励む人の話などに大きな関心を寄せました。

 「船の上で聞いたモイヤー博士の話は、とても楽しかったですね。直接、話をしてボクの名前も覚えてもらったんですよ。この体験クルーズの経験は、環境問題の本を読むようになった大きなきっかけになっています」





想像以上にたいへんなボランティアの仕事

メンバーとはいポーズ!
ジュニアボランティアとして参加した今回の体験クルーズ。新たに得た経験がありました

 たくさんの友だちをつくり、環境問題に関心を寄せる大きなきっかけとなった体験クルーズへの参加。その後も、春休みが近づくと林君はB&G財団のホームページにアクセスして、その年の体験クルーズの動向に目を向けていました。

 「体験クルーズの参加は思い出深いものになりましたから、例年、どんな様子なのか、つい知りたくなってしまうのです」

 ホームページは眺めるものの、すでに参加対象年齢から外れてしまったため、もう体験クルーズに参加することはないだろうと思っていた林君でしたが、今年の体験クルーズでは高校生もジュニアボランティアとして参加できることを知りました。

 待ってましたとばかり応募した林君でしたが、今回はメンバーの世話をするジュニアボランティアとしての参加です。メンバーとして参加したときの思い出が楽しいものばかりだったので、ジュニアボランティアの仕事も最初は楽しい面ばかり考えていましたが、現実はかなり違っていました。

 「メンバーで参加した際に、リーダーやボランティアの仕事がどのようなものなのか見ていたはずだったのですが、それは表面的なものばかりで、子どもたちを世話する苦労の部分が見えていませんでした。実際、自分が子どもの世話にまわると、こんなに大変なものなのかと驚くばかりでした」

 もっとも辛い仕事は、船酔いした子の世話でした。もどしてからでは遅いと、林君は子どもたちの顔色を常に観察し続け、気分が悪くなりそうな子をみつけると、早めにエチケット袋を渡し続けました。
  「自分も酔いましたが、立場を考えたら休むわけにもいきません。自分で自分を励ましながら航海を続けました」

 想像以上に仕事は大変だったものの、ジュニアボランティアの仕事は実に楽しかったと、林君は振り返ります。
 「メンバーで乗ったときは、あまり他の組リーダーと話をする機会がありませんでしたが、今回は仕事を通じてさまざまなリーダーたちと接することができました。もちろん子どもたちと接する場面が多いですから、考えてみれば年下、年上ということに関係なく、両方の年齢層と幅広い交流ができたように思います」

リーダー写真撮影風景
リーダー写真の撮影風景。いいポーズはないか、試行錯誤中…

 仕事上のことなら、年上のリーダーにも自分の考えをはっきり伝えなければなりませんから、躊躇する間はありません。気がつけば、林君は臆することなく多くのリーダーたちといろいろな話をするようになっていたそうです。

 「今回の体験クルーズで得たものは、いろいろな人とコミュニケーションが取れたことにあると思います。特に、年上のリーダーたちを見ていて感心することが多々ありました。リーダーたちは、どんなことでも反応が早いんです。自分もそのような行動を取りたいと、船の上ではずっと努力していましたが、最後までリーダーたちには勝てませんでしたね。
 また、いろいろな人と接したためか、人それぞれに個性があるのだということを痛感しました。自分ならこうしようと考えたことも、別の人はまったく違うやり方を考えていることもあり、その都度、なるほど自分とは違う発想もあるんだと感心したものです」

 メンバーで乗ったときは、また違った感動を体験クルーズで得ることができた林君。来年も、ふたたびジュニアボランティアで参加したいと意欲満々でした。(※続きます)

※Jrボランティアとは…
 Jrボランティアとは、B&G小笠原体験クルーズに参加したことがある、高校生(15歳から18歳まで)のスタッフです。自分の乗船経験を生かし、組リーダーを補助しながら参加者同士やリーダーとの交流促進を図ります。
  今年度の体験クルーズから導入されました。




第3話 続く 第5話

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