事業内容を知る 海を守る植樹教育事業

No.004:山口県長門市 「大きな森になってほしい」 
愛称を「ハマの森」と名付ける ツブラジイなど常緑広葉樹400本

 2017.12.26 UP

全員で記念撮影。右奥には二位ノ浜が見える

全員で記念撮影。右奥には二位ノ浜が見える

 B&G財団と山口県長門市(ながとし)、同市教育委員会は、全国で最も水質がきれいな海水浴場の1つである二位ノ浜を望む山の中腹で、12月5日、自然の大切さを学ぶ「B&G海を守る植樹教育事業 植樹祭」を行いました。
 400本の苗木を植え、愛称を「ハマの森」と名付けました。参加者は苗木を育てた日置小学校児童をはじめ、地域住民、NPO、運営スタッフなど総勢約100人でした。

当日は西日本一帯を寒波が覆い、強い北風と時折雪の降る中でも、参加者は元気に植樹しました。今回は、同市の土地と自然環境に適合した「ふるさとの木」として、ツブラジイとスダジイなど17種、約400本の苗木を植えました。

植樹の意義を真剣に聞く児童

植樹の説明を受ける子供たち

 開会式には、同市生涯学習スポーツ振興課の福田浩二課長、B&G財団から古山透常務理事が出席しました。
 植樹の前には、B&G財団の職員が、植樹祭に集まった参加者に植樹の意義や植樹方法などを説明しました。植樹地は、二位ノ浜を眼下に望み、森と海のつながりを感じられる場所でした。このため子供たちは、今回の植樹が豊かな海をつくるという、「海を守る植樹教育事業」の意義をよく理解して、植樹に臨んでいました。

4年がかりで育てた苗を植える

ドングリから育てたスダジイを植える

ドングリから育てたスダジイを植える

 今回の植樹では、2014年度に当時1・2年生だった長門市の日置小学校の児童がどんぐりを拾い集め、4年がかりで育てた60本の苗木も含まれています。
 4年前のドングリの採取に参加した児童は「自分たちが拾ったドングリが育って、大きな森になってほしい」と話していました。

学校・NPO・地域住民と連携 市民協働で森づくり

教わりながら藁縄を張る児童

教わりながら藁縄を張る児童

 当日は、日置小学校の先生のほか、森林体験活動や森林学習を進める「千畳(せんじょう)里山の会」、木育に関する事業を行う「NPO人と木」、市民団体である「日置まちづくり協議会」が、子供たちに寄り添いサポートをしており、子供から高齢者まで一緒に協力した植樹祭でした。

 苗を全て植え終わると、土が雨で流れないよう、藁を敷き詰める作業をしました。参加した子供達は、土が見えなくなるよう藁を広げて置くようにアドバイスを受け、丁寧に均等に藁を敷き詰めました。児童は「植えた苗を踏まないように気を付けながら藁を敷くことができた」と話していました。

 その後、敷き詰めた藁を抑えるための藁縄を、縦横と網目状に張りました。子供たちは、自分の引っ張る藁縄が苗に引っかからないよう、大人のサポートを受けながら、真剣に作業をしていました。

植樹祭参加者が多数決で愛称を決める

命名する3つの名称案に並んだ人数で決められた

命名する3つの名称案に並んだ人数で決められた

 最後に、植樹した場所の愛称を、参加者全員で決めました。日置小学校の先生が考えた「どんどんどんの森」、市教育委員会の職員が考えた「ハマの森」、B&G財団の職員が考えた「龍宮の森」の3案が発表され、参加者たちは自分の選んだ名前が書かれた看板の前に並びました。

 多数決で、植樹場所の愛称は二位ノ浜を望むことから「ハマの森」に決定しました。
 今後参加者や地元の方に愛される森に育つことが期待されます。

(文:田中 大幾

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