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川は最高の遊び場 しかし事故も多発しています! 川の事故を防ぎ、安全に遊ぶための5つのポイント

新緑とせせらぎ溢れる「川」に足が向く季節になりました。しかし例年、水難事故もこの季節から増えてきます。
下記に、気を付けるべき「川の危険ポイント」と、流された際の「身の守り方」について紹介します。

子供の水難事故は川で多く発生!

警察庁のまとめから、中学生以下に限った場合、水難事故(死者・行方不明者)は、その過半数が河川で起き、しかも水遊び中の発生が約6割に達していることが明らかになっています。
身を守るには"川のセルフレスキュー知識"が必要です。

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水辺の安全教室

ポイント1  水流の強さと足場の悪さ、水深の大きな変化

川には必ず「流れ」があり、その水圧は強大です。流れの強さによりますが、成人男性でも腰までつかれば、大抵は流されてしまいます。
また湾曲(カーブ)している場所では、通常、外側に強く速い流れが生じており、同時に水深が深くなっているため"深みにはまる"状況に陥りやすいと言えます。
色の濃い部分は、深くなっていることが多いので、水に入る前に深い場所をチェックしておきましょう。(下流側も必ず確認しましょう!)

常に水の流れにさらされている川では、しっかりとした足場は望めません。
一見、渡れそうな浅瀬でも、ザラ瀬と呼ばれる場所(上写真)は水圧も強く、足元は非常に不安定になっています。また、流れが遅く浅い場所では、岩に藻が生え、滑りやすくなっています。このような場所では、脱げやすく踏ん張れないビーチサンダルは危険です。カカトのあるしっかりとした靴や、専用の「マリンシューズ」を履きましょう。

ポイント2  川独特の流れ、隠れ岩

上流域の川には、川の中に岩があることも珍しくありません。
岩の周りには複雑な流れが発生するため、遊泳する際には注意が必要です。
川の流れと岩の影響で、岩の周囲(点線内部)は深く掘れているケースが多くなります。同時に、岩の横に逃げる水流は、スピードが速くなります。
写真は、代表的な例になります。流れと、深くなっている部分を把握しましょう。

知っておきたいのが、水面下に沈んでいる「隠れ岩」です。
遊泳時の乗り上げ、激突で、膝やスネを強打する危険があります。
さらに、岩の真後ろには強い逆流(上流向きの水流)も生じています。こういった場所では、上流から下流だけでなく、下流から上流に向かっても、流れに翻弄されたり、水圧で岩に押し付けられる恐れがあります。
事前に隠れ岩の有無をよく観察し、近づかないのが賢明です。
流された場合には、仰向けの姿勢で下流に足を向けて泳ぎます。

ポイント3  水位の変化、急激な増水

河川の急激な増水による事故事例はよく知られており、毎年のように水難が発生しています。雨天時に中洲に留まると、退避経路が増水で消える危険が高まります。
キャンプなどは避け、天候の変化や増水に特に気を配る必要があります。

観察すべきポイントは、草です。草も生えない砂地は、通常時は水面下の可能性が高く、なぎ倒された草は、最近増水があったことの証拠です。

ポイント4  人工物(えん提)

河川で最も注意が必要なのが人工物、中でも「えん堤」の危険度はトップクラスで、死亡事故に繋がる可能性が高い場所です。
えん堤には、いわば人工的な「滝壺」のような流れが発生しており、水深が浅くても強烈な逆流(バックウォッシュ)があります。
このバックウォッシュに捕捉されると、下流に流れることなく、延々とその場で水にまかれ続ける上、救助も困難を極めます。
浅いからといって、えん堤の上を歩かないことです

ポイント5  岩の崩落(岸壁には近づかない)

【事例】 2001年8月31日 埼玉県長瀞町の荒川で高さ6メートルの岩盤(推定約100トン)が崩落し、県内の高校一年生が割れた岩との間に挟まれる事故がありました。少年は現場で左足首を切断の上、救出されました。

川岸の岩盤には、増水や風雨に長時間さらされ非常に脆くなっている場所があり、いつ崩落するかは誰にも予測不能です。岩盤の真下に近づいたり、不安定な大きな岩に触れたりはしないことです。
写真のような崩落は、湾曲(カーブ)した外側、つまり流れの浸食を受けている場所に発生しやすいことも覚えておきましょう。

総括 川で身を守るには

1.天気や川の情報を調べる。天候の変化に気を配り、対応する
  • 不慣れな川では、通常よりも増水しているかどうか、情報収集が必要です。
  • 山間部では雷雨が起こりやすいため、雲行きが怪しければ、早めに屋内や自動車に避難します。
  • 狭い川ほど急速に増水します。大雨が降った場合、速やかに川から離れましょう。
2.遊ぶ場所とその下流をよく観察し、危険な場所や人工物の無い場所で活動する
  • 水面をよく観察し、深いところや水流の強いところがあるかを確認します。
    ※上記の危険ポイントをよく覚えてください。
  • 流された場合、必ず下流側へ流されます。下流を観察し、上陸し易い場所に目星をつけておきます。
3.ライフジャケットを用意し、正しく着用する
  • 腰より深い場所があるとしたら、ライフジャケット無しでの入水は危険です。
  • もし水泳が得意であっても、水流の強さにはほとんど抵抗できません。
4.生身での「背浮き」やライフジャケットを着用した泳ぎ方を知っておく
  • 川では通常、仰向けの姿勢になり、足を下流に向けて泳ぐ方法が適しています。
  • 足を下流に向ける理由は、隠れ岩など障害物を蹴ることで激突を避けるためです。
  • クロールなど、水泳の泳ぎ方では急激に体力を消耗してしまいます。

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