活動記録 第11回 B&G全国サミット 開催!

活動記録 誰もが輝ける未来を!
第11回 B&G全国サミット開催!日本財団助成事業

370自治体から首長224人、副首長・教育長など過去最高となる841人が出席
テーマ:誰もが輝ける未来を! ~オリンピック・パラリンピックへ向けた自治体事例から学ぶ~

 2019年1月22日(火)、B&G財団(東京都港区・前田康吉会長)は、東京都港区の笹川記念会館において、「第11回 B&G全国サミット」を開催しました。今回は、「誰もが輝ける未来を! ~オリンピック・パラリンピックへ向けた自治体事例から学ぶ~」をテーマに、B&G海洋センターが所在する全国389自治体のうち、45道府県、370市町村から224人の市町村長、261人の副市町村長・教育長、来賓、ボートレース関係各社、マスコミ各社を含め、計841人が出席しました。会場ロビーでは、10年連続特A評価を受賞した16海洋センターの内9海洋センターの自治体が特産品をPR。会議終了後には同会館にてレセプションが開かれ、各参加者間で交流を深めました。

 オープニングは、子ども健全育成大使に任命された酒井法子氏の紹介。その後、第一部では、当財団会長、前田康吉(北海道滝川市長)による開会挨拶、来賓紹介に続き、日本財団の笹川陽平会長による『世界と日本の現状』と題した特別基調講演を行いました。

 第二部では、B&G全国サミット正副会長の挨拶、「第15回B&G全国教育長会議」の内容について、秋田県由利本荘市の佐々田亨三教育長が報告。オリンピック・パラリンピックへ向けた自治体事例として、宮城県 蔵王町、滋賀県 米原市、熊本県 南関町の発表。B&Gアスリートの紹介、B&G財団の取り組みを経て、第11回B&G全国サミット共同宣言として、「誰もが輝ける地域づくり」を採択しました。

 第三部では、「2018年 B&G PR大賞」の最優秀賞の発表と表彰を行うとともに、優良海洋センター表彰として、10年連続「特A評価」を獲得した16海洋センターへ表彰状を授与しました。

 

子ども健全育成大使である酒井法子さんからスタート

 サミットのオープニングでは、B&G財団が2018年に創設した全国初となる「子ども健全育成大使」の初代大使に任命された、女優で歌手の酒井法子さんが登壇しました。

 酒井さんは2018年8月に静岡県牧之原市で開催された「砂ASO Beach in 牧之原」と、12月に岩手県山田町で開催された「B&G復興植樹祭in山田町」に参加。すでに活動をスタートさせています。
 牧之原市のイベントは「子どもたちに海に来ていただいて、海の楽しさ、素晴らしさを知ってもらうことができました。子どもたちが笑顔で楽しんでくれている姿を拝見することができました。海に入らなくても海を楽しめるイベントが、もっともっと全国に広がって欲しいなと思いました」と感想を述べ、山田町のイベントに対しては「子どもたちや保護者のみなさんと、1000本の苗木を植えることができて、とっても楽しかったです。子どもたちには元気にすくすくと育ってもらって、地元の復興のお手伝いができる大人になって、環境をみんなで変えて欲しいなと思いました」と話しました。

 「今後も、障害や自然災害などで困っている人たちでも豊かな体験ができる事業に参加させていただきたい」と語り、「全国の市町村のみなさんは、子ども育成に力を注いでいらっしゃると思いますが、東京だけでなく、地域の良さを見据えた素晴らしい大人が育って行けるように私も頑張りますので、全国の市町村の皆様も一緒に頑張りましょう」と呼びかけました。

 

特別基調講演「世界と日本の現状」
日本財団 笹川陽平 会長(ミャンマー国民和解担当日本政府代表)
日本は素晴らしい国 未来は明るい

 当サミットでは、日本財団会長の笹川陽平様に特別基調講演をいただいています。今回は、「世界と日本の現状」をテーマとした講演が行われました。
 笹川会長は、2018年の「ガンジー平和賞」を受賞されました。これは、ハンセン病制圧と差別撤退に対する活動が高く評価されたもので、日本人の受賞は今回が初めてとなります。

 講演では、冒頭、「私たちの脳裏中では日本を中心にして物事を見る癖がある。日本があっての世界のような考えをしがちだが、グローバリゼーションの時代では、世界があって日本があると考えないといけない」と指摘しました。
 「テレビのニュース番組では犯罪事件ばかりがクローズアップされ、大事な国際情勢は後ろに置かれている。世界でも日本はもっとも犯罪が少ない国なのに、犯罪ばかりあるような誤解を招いている。これも、日本中心主義の表れではないか」と疑問を投げかけました。
 今、世界を見ていると変革の時代に差し掛かっている、とも指摘。不確実性の高い時代に入ってきたと語りました。その例としてアメリカやUE、中国などの情勢を解説し、世界の現状を改めて俯瞰しました。

 また、私たちの生活に欠かせないオイルの97%がマラッカ海峡や台湾海峡を通じで運ばれてくる。そのため、日本財団では、40年に渡り、マラッカ海峡の安全管理をサポートしていると力説。今、中国が台湾に進出している。もし、日本が台湾海峡を使えなくなったらどうするのか?と訴えました。
 「石油はマラッカ海峡の外を回って、インドネシアのロンボク海峡からパラオを通って日本に運ばれる。だからパラオは日本にとっても最も重要な国」と説明。パラオを日本がサポートすべきであり、現在、日本財団がパラオを支援していることを力説し、もっと日本政府も支援して欲しいと訴えました。

 今の日本についても、「世界をまとめているのは日本です。それが世界の指導者の声であるにも関わらず、そういう評価が日本のなかでなされていないということは、私は残念」と訴えました。日本は76%の国民が生活に満足していると答えている。こんな国はどこにもない。「凄い国なんです」と力説。
 その後も日本の良さを改めて説明し、「悲観的なことを言うのが日本の学者。日本には素晴らしい学者がたくさんいるが、過去のデータを見て偉そうなことを言っているだけ。未来をどうするか、将来をどうするかを考えなければいけない」と訴えかけました。
 そのためには、「日本はこれからどうなるのか」を考えるのではなく、「私たちはどういう国にしたいのか」を私たちが主体的に考えないといけないと力を込めて語りました。皆さんがそれぞれの地域で地域づくりをして欲しいと参加者の奮起を促しました。
 最後に、新しい時代を開拓していくのは若い人たちと子どもたちだと述べ、「日本は弱いわけではない。次の世代にたすきを渡せば若い人たちはやって行く。明るい日本の未来は間違いない。悩みがあるのはいい話。私たちには欠点を長所に変える知恵を持っている。世界の中で恵まれた国は日本しかない。未来の子どもたちに素晴らしい日本をつなげるために、みなさんともに、我々の生きている間の役割を果たしましょう」と力強く訴えて締めくくりました。

 

オリンピック・パラリンピックへ向けた自治体事例
宮城県 蔵王町、滋賀県 米原市、熊本県 南関町の取り組み

 今回のサミットのテーマでもあるオリンピック・パラリンピックへ向けた自治体事例。海洋センター所在自治体で、地域特性を活かし特徴的な活動を展開している、宮城県蔵王町、滋賀県米原市、熊本県南関町から発表いただきました。

 

宮城県蔵王町 村上英人町長
「海洋センターを活用したオリパラ教育で夢への後押し」

蔵王町では、子どもたちに対し、スポーツ交流やオリンピアンの体験を聴く機会を数多く提供し、海洋センターを拠点としたオリンピック・パラリンピック教育を展開し、スポーツの楽しさを、町を挙げて教育を推進して行くと語りました。

 

滋賀県米原市 平尾道雄市長
「東京オリンピック・パラリンピックを契機に~ホッケーを核としたスポーツ交流から~」

米原市は「ホッケーのまち」であること説明。子どもたちとホッケーのニュージーランド代表選手との交流を行うなどを行っています。今後も積極にホッケー教室を開催し、市民全体でスポーツを支えることを訴えました。

 

熊本県南関町 佐藤安彦町長
「地域のパラアスリートや体験談を通じて共存社会の実現を」

南関町では、障害者スポーツの理解を推進し、心のバリアフリーを目的にさまざまな活動に取り組んでいると説明。障害があっても使えるよう、施設のスロープの改修を行っていると述べました。また、同町出身のゴールボールパラアスリートである浦田理恵さん(北京2008パラリンピック出場・ロンドン2012パラリンピック金メダル・リオデジャネイロ2016パラリンピック5位 BGアスリートへのリンクを)をスライドで紹介。浦田さんの協力の許、オリンピック・パラリンピックに向けたイベントを開催するとともに、スポーツを見る、支える活動を今後も続けて行くと語りました。

東京オリンピック・パラリンピックを目指す、B&Gアスリートを紹介

 全国各地にあるB&G海洋センターや海洋クラブでは、日々スポーツの練習に励んでいる子供たちが昔から多くいます。その中には、前述の浦田理恵選手以外にも、リオ五輪でバドミントン女子シングルス銅メダルを獲得した奥原希望選手(長野県大町市海洋センター)、リオ五輪競泳男子4×200フリーリレー銅メダルの江原騎士選手(山梨県南アルプス市白根海洋センター)、男子200m平泳ぎ世界記録保持者の渡辺一平選手(大分県佐伯市上浦海洋センター)、平昌五輪女子チームパシュート金メダルの佐藤綾乃選手(北海道厚岸町海洋センター)など、世界で活躍するB&Gゆかりのアスリート達が多くいます。

 その中で、2020年の東京オリンピック・パラリンピック出場を目指す若きB&Gアスリート3人を紹介しました。
 最初にパラ競泳自由形の中道穂香選手(愛媛県愛南町御荘B&G海洋センター)がビデオレターで登場し、「東京パラリンピックに向けて最後までしっかり全力でチャレンジして行きたい」と挨拶。続いて、男子カヌースプリントの八角周平選手(千葉県B&G香取市小見川海洋クラブ)が登壇。千葉県香取市宇井成一市長から八角選手の紹介後、八角選手は「練習に集中できるように環境を整えてくれたB&G財団に感謝し、日々の成長を支援して応援してくださる皆さんの応援に感謝を忘れずに東京オリンピックに向けて努力することを誓います」と述べました。最後に、競泳男子バタフライの阪本祐也選手(三重県大紀町大内山B&G海洋センター)が登壇。三重県大紀町稲葉 元教育長から阪本選手の紹介後、阪本選手は「まずは東京オリンピックに出場することを目標に、出場できればメダルも見えてくると思うので、しっかり頑張っていきたいと思いますので、応援のほど、よろしくお願いいたします」と述べました。会場からも惜しみない応援の拍手が送られました。

 

第11回B&G全国サミット共同宣言を採択

 B&Gアスリート紹介後、第11回B&G全国サミットの共同宣言として、「一.誰もが輝ける地域づくり 2020年オリンピック・パラリンピックを契機に、海洋センターをはじめとした各種施設で、する・観る・支える・応援するなど多様にスポーツを楽しむ機会を提供し、誰もが輝ける地域を作ろう。」を採択し、第二部は閉会しました。

2018 B&G PR大賞表彰
ポスターの部と広報誌の部から最優秀賞を発表

 サミット第三部は、PR大賞と優良海洋センターの表彰を行いました。2018年 B&G PR大賞は、海洋センター関係者および一般の方から、ポスターの部に311点、広報誌の部に165点の応募があり、メディア関係者と有識者による審査委員会で審査され、最優秀賞と優秀賞が決定。ポスターの部と広報誌の部の最優秀賞に輝いた2カ所の海洋センター所在自治体を表彰しました。
 壇上には女優で画家であり、B&G財団の評議員で、PR大賞審査委員長も務める岸ユキさんから、ポスターの部 最優秀賞「香川県 小豆島町内海B&G海洋センター」、広報誌の部 最優秀賞「『広報くじ9月号』岩手県久慈市」を表彰していただきました。

 岸ユキ審査委員長は、「毎年、応募されるみなさん進歩されている。審査する委員の方は四苦八苦されております。特に私が驚いたのは、新しい感覚が出てきていること。新しい部分から皆さんPRをしていると感じました。今後もいろんな角度からPRをしていただきたい」とコメントしました。

 

10年連続「特A評価」の16海洋センターを表彰

 海洋センター評価は、各施設の管理・運営面を把握し、今後の活動の活性化に役立てるとともに、B&G財団が行う支援活動の指標とすることを主な目的として、2003年度から導入しています。評価は最優良である「特A」から「E」までの6段階で評価が行われています。

 今回は2018年4月度評価において「特A」と「A」評価を獲得したセンターを表彰。そのなかから、10年連続して「特A評価」を受けた16海洋センターの首長などに対し、壇上で賞状と当財団のキャラクター人形である特大サイズの「アンドリーくん」を贈呈しました。