活動記録 大震災で全壊した海洋センターなどのスポーツ施設が総合交流施設「夢アリーナたかた」として再建

活動記録 大震災で全壊した海洋センターなどのスポーツ施設が総合交流施設「夢アリーナたかた」として再建

市民の熱望で復旧!未来を語る場所へ 2018年4月11日に開館記念式典
~陸前高田市B&G海洋センター・総合交流センター

  • テープカットする陸前高田市の戸羽太市長(中央)、左端はB&G財団の古山透常務理事

    テープカットする陸前高田市の戸羽太市長(中央)、左端はB&G財団の古山透常務理事

  • 「夢アリーナたかた」全景写真

    「夢アリーナたかた」

 7年前の東日本大震災で、岩手県の陸前高田市では、昭和51年に竣工した市民体育館をはじめ、体育文化センター、B&G海洋センター温水プールなどが全壊しました。スポーツ愛好者の多い同市では、市民の熱望により運動施設復旧を目指してきました。このほど各方面の協力で温水プールを含む総合交流施設『夢アリーナたかた』として再建を果たしました。

 広田湾と旧市街地を見下ろす高台にある『夢アリーナたかた』は、陸前高田市総合交流センターと陸前高田市B&G海洋センターが融合した総合交流施設で、4月11日、施設の開館記念式典が開かれました。B&G財団から、古山透常務理事が出席しました。

 財団は陸前高田市B&G海洋センターの温水プールリニューアルにあたり、災害復旧修繕の助成をしています。

 開館記念式典で、陸前高田市の戸羽太市長は次のようにあいさつして、地域住民の活力の拠点としていきたいと強調しました。

 「2011年の震災で全てが失われてしまい、それ以来スポーツ施設の復旧は市民の悲願でした。この度、関係各位およびB&G財団からの特段の協力により、温水プールを含む総合交流施設として再建を果たすことができました。施設内は全てユニバーサルデザインとし、屋根はカモメがはばたく姿をイメージ、名称は公募により「夢アリーナたかた」となりました。陸前高田市では「ノーマライゼーションという言葉のいらないまちづくり」をテーマとしています。安全安心で、バリアフリーの意識も要らないまちづくりのシンボル、地域住民の活力の拠点として活用していきます。」

戸羽陸前高田市長があいさつ

戸羽陸前高田市長があいさつ

 また、同市教育委員会の金賢治教育長から旧B&G海洋センターの建設経緯と活発な利用状況の説明がありました。プール施設については温水6コース、ジャグジー・幼児プール併設の概要が紹介されました。

 そのうえで「市民が待ちに待った施設であり、今後、人が集い陸前高田の未来を語る場所として活用していきたい。そのため、総合体育館という名称ではなく総合交流センターです」と述べました。

  • 新しいプール両サイドは階段、スロープ付き

    プール両サイドは階段、スロープ付き

  • プール観覧席も開放的で広い

    プール観覧席も開放的で広い

 施設の概要は、次の通りです。

 観覧席が三方にある多目的ホール、観覧席・キッズルーム併設のメインアリーナ、柔道場・剣道場、トレーニングルームがあります。「B&G海洋センター」となる一角にはメインプール以外にも子供プール、ジャグジー、採暖室、ガラス張りの見学ルームを備えています。ユニバーサルデザインでありトイレ、移動経路をはじめバリアフリー対策も万全です。

  • 多目的ホール

    多目的ホール

  • 屋外の正面玄関前、案内看板

    正面玄関前、案内看板

震災復興は道半ば

 戸羽市長によれば、陸前高田市では住宅移転は進んでいるものの、被災地域の復旧が進んでおらず、震災復興はまだ5~6割の途上にあるということです。ようやく商業施設がいくらか営業し始めた程度であり、この状況で、あと2年で復興支援の区切りをつけるのは難しく、国などに支援延長を頼まなければならない状況にあると語っています。

 さらに復旧した施設を、スポーツ好きが多い市民の活動や交流の場として、大いに活用させていただきたい、と意気込んでいます。

海洋センター施設がある「夢アリーナたかた」から海側を望む。海岸線にある巨大な堤防(高さ12メートル、全長2キロ)から内側の被災地域は、まだ復旧・復興の途上にある

海洋センター施設がある「夢アリーナたかた」から海側を望む。海岸線にある巨大な堤防(高さ12メートル、全長2キロ)から内側の被災地域は、まだ復旧・復興の途上にある