■ 概要
B&Gフロアリズム運動プログラムの神経系運動では、器具4種目(鉄棒・跳び箱・マット・平均台)と手具4種目(ボール・フープ・縄・棒)を行います。
協応性や敏捷性、巧緻性や平衡性などの調整力の育成が目的であり、いろいろな使い方によって多様な遊び方が体験できることから、遊びの世界を広げる機能を持っています。
神経系運動は、とかく技術に流れる傾向にありますが、幼児期では器具・手具を使った多様な運動の経験と活動性の向上を重視すべきであり、最終的には幼児自身がこれらを使って自由に遊べるようになることが重要です。
「B&Gフロアリズム運動プログラム」
〜神経系運動(マット)〜
「B&Gフロアリズム運動プログラム」
〜神経系運動(ボール)〜
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プログラム名
「跳び箱」(器具)
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跳び箱運動は、走る、跳ぶ、回る、止まるといった基本動作の連続であり、それぞれの動作の達成度が技術習得に係わり、運動を通して瞬発力や協応力、平衡性を養う効果があります。
■ 指導ポイント
- 助走をつけずに跳び越すだけの動作を行う場合は2〜3段を使用し、助走をつける場合は3〜4段が目安である。※幼児用跳び箱
- はじめは、跳び越す動作の習得として、ロイター板でジャンプのみを行うとよい。
- 目線が下を向くと上体が前に出ず飛び越せないので、目線は前方を見させる。
- 助走をつけて行うときは、必ず見本を見せて動作のイメージを作らせる。
- 子どもの動作にあわせて声をかけるとタイミングがとれやすい。
- 特に助走をつけた直後は「踏み切り」の動作を忘れがちであるため、声かけでしっかりと確認させる。 ※踏み切りで両足が揃わず、跳び越す際に片足ずつになってしまう場合の声かけの例
「走っていって トン |
・ パッ ・ |
パッ」 |
(踏み切り) |
(動作) |
(着地) |
■ 注意事項
- 器具を使用するため安全面には十分配慮し、アクシデントに対応できるよう、必ず指導者が付き補助をする。また、着地位置にマットを敷くなど、環境面での配慮が必要である。
- 動作の習得が目的ではなく、動作の経験をすることがねらいであるため、スキル指導に特化しないよう注意をする。
- 動作が習得できていない幼児への補助は、触り過ぎないように注意する。本人が自分の体を自分の意志でコントロールすることを理解させるような補助を行う。
- 動作を習得している幼児は、スピードや高さをコントロールできないことがあるので、ケガをさせないような補助を行う。
- 参加幼児のがんばりを見逃さず、必ずがんばったことを褒めてあげることが重要である。運動が苦手な幼児が「また、がんばろう!」と思えるような言葉掛けが必要である。
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プログラム名
「ボール」(手具)
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ボール遊びは投げる、蹴る、転がす、つくのように操作を行う運動が多く、色々な種類や素材を活用したボールや手作りボールを用いて、段階的に活動量を高めることで、敏捷性、協応性、巧緻性の発達を促します。
■ 指導ポイント
- 導入期は、ボールを抱いたり、押さえたりしてボールの感触に親しみながらボールの性質を理解し、様々な遊びに展開する準備を行う。
- 身体表現を使って興味を引きつけ、的確に内容を伝える。
- 基本動作に慣れたら、目標回数を決めて幼児に達成感を与えたり、競争やゲームによって楽しみながら動作の達成レベルを高める。
■ 注意事項
- 準備、片付けなどは幼児が主体的に行うよう習慣づける。
- ボールゲームは最初からルールにこだわらず、年齢や発達レベルに応じて段階的にルールを設定していく。
- 不用意に投げて友達にぶつけたり、窓ガラスや他の器具・備品を壊さないように注意する。
- フープを使って運動する場所を設定するなど、適度な間隔をとり安全に集中して行えるように配慮する。