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「第5回 モデルセンター講習会(転倒・寝たきり予防プログラム)」を開催

■ 現場ですぐに役立つプログラムを提供

 1月22日(木)・23日(金)の2日間、東京都港区の海洋船舶ビル10階会議室にて、転倒・寝たきり予防プログラム(以下「転プロ」)の「第5回 モデルセンター講習会」を開催いたしました。

 この講習会は、すでに「転プロ」を導入しているモデルセンター・導入センターのほか、今後の導入を検討している海洋センターの担当者、保健師の方々を対象に、現場で即実践できるプログラムなどを学びスキルアップを図るとともに、指導員相互のネットワークを深めることを目的としています。

 講習会には、全国の30海洋センターから43名が参加。専門講師による講義や実技、グループディスカッションなどが行われ、すぐに現場で役立つプログラムなど知識と技術を数多く学びました。

 開催にあたり、B&G財団 広渡専務理事は「この講習会は、指導者同士や財団職員との情報交換も目的にしております。皆さまから色々な話を聞いて、新しい事業を創っていきたいと思っております。この2日間を有効に、実りの多い有意義なものにしてください」と挨拶しました。

 引き続き行われた自己紹介で参加者は「今行っているプログラムのマンネリ打破が目標です」「しっかり勉強し吸収して帰り、教室で活かしていきたいです」などと話し、今回の講習会への意気込みが感じられました。
講習会の様子
「第5回 モデルセンター講習会(転倒・寝たきり予防プログラム)」

開会のあいさつ
B&G財団 広渡 英治専務理事による開会のあいさつ

■ 高齢者とのコミュニケーション ―総合子供の遊び情報研究室 代表 東 正樹氏―
 
 「レクリエーションゲームの最大の武器は『笑顔』」

 講習会1日目、まずは総合子供の遊び情報研究室の代表 東 正樹氏による「高齢者とのコミュニケーション〜アイスブレーキングゲーム技法を活用して〜」と題する実技指導から始まりました。

  • アイスブレークとは・・・(氷を壊す=冷たい雰囲気を温かくする)安全配慮を 基盤として、ゲームのパワーを利用することで、参加者間の緊張をほぐし、場の雰囲気を創り出すのに有効な手法


  •  講習では、レクリエーションゲーム「肩あげて」や「握手でこんにちは」、「お金持ち日本一選手権大会」などを、東氏の指導のもと、参加者が実際に見て、聞いて体験しました。参加者の皆さんは、東氏の技術や話術にみるみる引き込まれ、気づけばコミュニケーションも深まり、笑い声の絶えない楽しい実技を体得されました。
    総合子供の遊び情報研究室 代表 東 正樹氏
    総合子供の遊び情報研究室 代表 東 正樹氏

    グーパー空手 グーパー空手…右手をグーにして右胸に、右手はパーにして前に伸ばす。
    掛け声に合わせて左右繰り返す
    ハイ・イハ・ドンゲーム ハイ・イハ・ドン…手を交互に重ね、「ハイ」の掛け声で下の手を上に「イハ」は上から下「ドン」は一番下の手で上の手をたたく
    お金持ち日本一選手権大会 お金持ち日本一選手権大会…ゲーム紙幣をジャンケンで増やしていくゲーム

    ■ 転倒予防に効果的な運動プログラム・運動遊び ―身体教育医学研究所 うんなん 主任研究員 北湯口 純氏―
     
     「転倒予防に最も効果的な運動は『バランス訓練』」

     身体教育医学研究所 うんなんの主任研究員 北湯口 純氏による「転倒予防に効果的な運動プログラム・運動遊び」について「B&G財団“転倒・寝たきり予防プログラム”事業報告書,2008」などに基づいて講義いただき、その後、運動実技指導が行われました。

     講義では「‘転倒→恐怖→引きこもり→寝たきり’を防ぐために転倒予防は大変重要です。私たちがすべき事は、加齢変化(最大筋力低下や運動速度の低下など)に伴う問題を理解し、日常生活で実践可能な予防対策を伝えていくこと。自主性が芽生えるような働きがけが、運動指導には求められます」などと説明され、参加者に、転倒予防に効果的なプログラムの主旨の再確認を促しました。
     また運動実技では、全員参加型の運動あそび「私は鏡」や「ステップ ステップ」、太極拳リズム体操などを楽しく学びました。
    身体教育医学研究所 うんなん 主任研究員 北湯口 純氏
    身体教育医学研究所 うんなん
    主任研究員 北湯口 純氏

    ステップ・ステップ ステップ・ステップ…輪の中央にいる指導者が「前」と言ったら「まえ」と言いながら後ろに1歩下がります
    パニック パス パニック パス…新聞を丸めて作ったボールを使って“とっさの1歩”を踏み出すトレーニング
    太極拳リズム体操 太極拳リズム体操…‘川の流れのように’‘涙そうそう’の曲に合わせて太極拳の動きを行います

     1日目終了後、参加者からは「実技が多く、ポイントを教えてくれたのでよかった。現場に立つ私たちには、マンネリ打破につながる今回のような実技がとても勉強になる」「指導時に注目させる方法等、大変参考になった」「飽きのこない内容で楽しかった」との感想が数多く聞かれました。


    ■ 高齢者の地域社会への参加 ―東京都老人総合研究所 主任研究員 杉原 陽子氏―
     
     「活動に参加してもらうには『友人からの誘い』が1番有効」

     2日目、最初の講義は、東京都老人総合研究所の主任研究員 杉原 陽子氏による「高齢者の地域社会への参加」についてです。

     講義では、高齢社会と高齢者の現状、高齢者の地域社会への参加状況、社会参加の意義、閉じこもり高齢者への取り組みについて説明をいただきました。青森県南部町の保健師 磯川さんからの「閉じこもり高齢者はプログラム参加後、また閉じこもってしまうことがある。良い対処法はありますか?」との質疑に「心理学的には、年をとるとともに人との関わりを徐々に捨て、家族だけと関わる方が良いとされる説がある。閉じこもり高齢者へのアプローチは難しいが、地域のプロの手(保健師やケアマネージャー)の粘り強く継続的な支援が必要だと思う」と応えられました。
    東京都老人総合研究所 主任研究員 杉原 陽子氏
    東京都老人総合研究所
    主任研究員 杉原 陽子氏

    ■ 合併後の事業展開について ―兵庫県丹波市山南海洋センター 大嶋 学氏―
     
     続いて事例発表として、兵庫県丹波市山南海洋センターの大嶋 学氏から平成16年度に合併した丹波市海洋センターの合併前から合併後の高齢者体力アップ事業の展開について報告がありました。平成20年度「やまなみ大学体力アップ教室」などの事業例をあげ詳しく説明されました。

     その後行われたグループディスカッションでは、グループごとに決められたテーマ(教育委員会との連携方法や卒業生へのアプローチ方法など)に沿って活発に意見を出し合いました。

     参加者からは「事例発表は、導入予定のセンターにとって参考になった」「ディスカッションは、他センターの状況や教室方法など情報収集ができてよかった」などの感想が聞かれました。
    兵庫県丹波市山南海洋センター 大嶋 学氏
    兵庫県丹波市山南海洋センター
    大嶋 学氏による事例発表


    ディスカッション
    活発に行われたグループディスカッション

    ■ 講習会を終えて ―参加者の感想―
     
    滋賀県長浜市浅井海洋センター 伏木 文秀さん
     「東先生の実技講習が教室に活かせる内容で大変良かったです」

    群馬県みなかみ町新治海洋センター 林 登紀枝さん
     「こうして年に1回『転プロ』に関わっている仲間に会えると、悩んだり不安に感じたり、『転プロ』を頑張っているのは自分1人ではないんだと思え勇気がもらえます」
    滋賀県長浜市浅井海洋センター 伏木 文秀さん
    ディスカッションで進行をする滋賀県長浜市浅井海洋センターの伏木 文秀さん