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B&G特派員便り:利用者数全国トップクラスの滝川市B&G海洋センター艇庫に潜入!
〜平成20年度北海道B&Gリーダー養成研修会も開催〜

 滝川市B&G海洋センターでこのほど、ボランティア指導員の育成を図ることを目的に「平成20年度北海道B&Gリーダー養成研修会」が、9月16日(火)から9月19日(金)にかけて開催されました。

 滝川市B&G海洋センターといえば、艇庫の開館期間が半年に満たないながらも、全国でトップクラスの利用者数を誇り、特A評価も受賞しているセンターです。さらに平成19年度には、身体が不自由な方でも楽しめるように工夫したカヌーが地元テレビで紹介され、B&G広報大賞も受賞しています。

 今回はリーダー養成研修会の状況とともに、そんな素晴らしい管理運営をされている艇庫に潜入させていただき、その様子や工夫、心がけについてお話を伺いました。
滝川市B&G海洋センター 特A評価を受賞している滝川市B&G海洋センター。目の前には石狩川に流れ込むラウネ川が広がります


◇リーダー養成研修会

 取材に伺ったのは研修会の2日目。前日は救急講習や座学などを受講していて、この日はOPヨットの艤装と理論、カヌーの実技を行いました。カヌーがはじめてという参加者もいましたが、丁寧な指導のもとスウィープストロークやローバランスなどをこなしていきました。

 研修会3日目はまさに、利用者の多い滝川市ならではのプログラム。宿泊研修で訪れた小学5年生の団体受け入れに、実際に指導補助として入るという内容です。前日までに学んだことを生かし、カヌーやローボート利用者へのアドバイス、安全のための監視を行いました。



OPヨット。陸上でのシミュレーションで感覚をつかみます

ロープワークは「習うより慣れろ!」繰り返し練習です



実際に子どもたちの指導補助に。
「パドルの持ち方を確認してごらん」

「おかえり〜楽しかった?」と出迎える
研修生に満面のスマイル!


【今回指導を担当した高瀬大輔さん:今年の夏にアドバンスト養成研修を受講】

 「沖縄では全国に仲間が増え、みんなで1つの目標に向かって頑張る大変良い経験ができました。今回のリーダー研修や普段の業務を通して、沖縄で学んだ素晴らしいことを大人や子ども、多くの人に伝えていきたいです!」


◇創意工夫〜来ていただいたからには何とかしたい!〜

 半年間に満たない開館期間で、平成19年度は91団体、18,160人もの利用があった滝川市B&G海洋センター。今年度も9月現在で、昨年度同様、もしくはそれ以上のペースで利用者が訪れています。多い日だと1日で3団体、450人以上が利用することもあるそうです。

 “これだけ多くの人を集めるのだから、学ぶべきものがきっとあるはず!”ということで、日頃の業務の様子や心がけなどについて職員のみなさんに教えていただきました。



掃除は毎日全員で。
午前の団体があるときは朝7:20頃から行うそうです

事務所に入ると、山田副所長自作のことばが
掲示されていました
「経験と慣れを自慢に事故まねく」
「自信過剰とうぬぼれは事故につながる赤信号」



忙しい時期だとホワイトボードが団体の予約で埋まり
“まっ黒”に。赤字で下のほうに書かれている数字が
この日までの利用人数の累計です

“覚えたつもり”がないよう、団体の利用内容を
必ず艇庫にあるボードにも書き出して準備をスムーズに


燃料の明記
パルプ閉めよ
毎日確認:鍵の保管庫

艇庫内には、こういった点検や収納の際の注意書きが 本当に細かいところまでいたるところで目につきました。
“慣れ”で失敗を招かないための徹底ですね。




ベンチはU字溝、看板は道路標識の廃品の再利用。
他にもホースリールや刈払い機など、
廃品を集めては直して使うお金をかけない工夫がたくさん!

コンパネで手作りの看板や、たくさんの花で出迎えるなど、
環境美化にも特に力を入れていらっしゃいます



この日もパドル収納をより良くするための試作に、
皆で意見を出し合っていました

日付だけでなく値段も表記。
物を大切に使ってもらうための工夫です


 その他にも、自分たちで土中にホースを這わせて舟艇の洗い場を大幅に増やしたり、子どもでもカヌーの出し入れがしやすいように艇庫内を工夫したりと、「子どもたちが少しでも長い時間水上で活動できる」ための配慮があらゆるところに。

 さらに、待ち時間に近くの芝生で遊ぶ子どもたちのためにサッカーゴールを設置したりもしていて、ここで全てを紹介しきれないのが本当に残念ですが、まだまだたくさんの気配りと工夫をされていました。



【山田健治副所長のお話】

 現在、臨時職員を含め6名で対応しています。毎日、清掃・整理・整頓に心がけ、いつでも誰でも利用できるよう準備し、艇庫周辺の美化にも特に気をつけています。「来ていただいたからには何とかしたい!どうすればより効率良く、たくさんの時間カヌーやボートを楽しんでもらえるか」ということを常に考え、職員みんなで意見を出し合う“創意工夫”を大切にしています。

 PR活動で気をつけていることは、利用していただいた後やシーズン終了後に、きちんと顔を出してお礼やあいさつをするということ。ここでカヌーなどを体験して、おもしろかったから「家族を連れてくる」「知人に勧める」という口コミが結構多いです。
山田副所長とベテランスタッフの皆さん 山田副所長(真ん中)とベテランスタッフの皆さん


◇利用者の感想(宿泊研修で訪れていた深川小学校の先生)

 なぜ滝川市の海洋センターを研修場所に選んだのか理由を聞いてみると、 「ここには前任校のときに来たことがあり、安全管理・指導の体制がしっかりしているという印象があったことが選んだ1番の理由です。子どもたちには力を合わせてやり遂げることを体験して、協力する心を学んでほしいですね」と話していただきました。

 “やっぱり日頃の丁寧な活動による信頼の積み重ねによって、こうして利用者が増えているのだな〜”と感じました!


説明のときの話術も本当に達人!30秒に1度は笑わせる、
ユーモアたっぷりな話しぶりで、子どもたちも飽きずに聞き続けています

小中学生から届くたくさんのお礼の手紙も見せてくれました。
スタッフのお話がおもしろかったという感想も多数!笑


取材:北海道ブロックB&G特派員 鷹栖町B&G海洋センター:大内 義崇