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熊本県宇城市三角で「水辺のインタープリテーション研修会」を開催(日本財団助成事業)

 平成20年度5月31日(土)・6月1日(日)の2日間、熊本県宇城市三角の戸馳島で「水辺のインタープリテーション検証研修会」が開催されました。

 「インタープリテーション」とは、直接体験することにより、参加者に楽しみや感動を与え、地域の自然に対しての興味や理解を効果的に深めていくための手法のことです。「楽しく学ぶ」「体験から学ぶ」「共に学ぶ」「地域に学ぶ」の4つの要素を大切にしています。

 今回の研修会参加者達の多くは、昨年度にこの手法を学んでいます。今年は、4班に分かれて「インタープリテーション」を用いたプログラムを実際に組み立て、お互いに指導方法を試しました。

 研修中は天候に恵まれ、2日目の気温は、なんと29度!!20名の参加者は、古瀬浩史氏(自然教育研究センター主任研究員)と小川結希氏の指導のもと、干満の差が大きい不知火海に面した若宮海水浴場をフィールドに、指導者としてのさらなるスキルアップを図りました。
米代川 実習のフィールドとなった、戸馳島・若宮海水浴場付近の海岸


カヌーの乗降風景
B&G財広渡専務理事挨拶。「みなさんには昨年学んだことを地元で実践いただいているようですので、今回さらなるレベルアップを図っていただきたいと思います」
カヌー実習風景
宇城市の阿曽田市長にご挨拶いただきました。「 海がどんなに大切かを、子どもたちに伝えてください」




カヌーの乗降風景
自然教育研究センター主任 古瀬 浩史氏
カヌー実習風景
自然教育研究センター職員 小川 結希氏


■1日目

 初めて研修会に参加された人もいましたので、簡単なアイスブレークの後、フィールドに出て「インタープリテーション」を用いたプログラムをいくつか体験しました。

 どれも、簡単な内容ですが、大人でも十分に楽しめるものとなっていて、参加者は童心に返って研修を楽しんでいました。
古瀬講師
「感性の準備体操」…目を閉じて、太陽の位置や風の吹く方向を探します


「葉っぱジャンケン」 自分の葉っぱを3枚集めて、葉の状態を競うゲーム
「小さい葉」というお題が出されて、それぞれ自分の3枚の葉っぱからふさわしいものを出して勝負!手前の人の勝ち〜
葉っぱジャンケンを通して、葉っぱの色々な特徴に気づくことができました



「カニってどうかに〜?」 カニをお腹側から見るとどんな感じなのか、想像して描いてみます
その後、本物のカニを捕まえて観察しました
カニの♂と♀の違いについて説明



 体験後にふりかえりを行い、それぞれのプログラムにこめられている意味や、順序立てて行うことの重要性について学びました。その後は、昨年度B&G財団が作成した「水辺のインタープリテーション海編」テキストを使って、明日の指導実習の準備を行いました。

 4つのグループに分かれて「プランクトンを観察しよう」「潮汐の仕組みを知ろう」「なぎさ水族館」「海のカルタ作り」のいずれかのプログラム案を考えます。

 テキストは、どこの地域でも行えるような内容にしてあるため「地域性」や「指導者自信が発信したいメッセージ」などは、含まれていません。研修参加者達は、熊本県宇城市三角のフィールドを下見したり、情報を集めたりして、三角ならではのプログラムを考えていきました。


テキストの内容は、どれもすぐに実践できそうなものばかりです
潮の満ち干きの説明をする潮汐チーム。かなり頭を悩ませています
プランクトンチーム:けんび鏡を使うのと、目で観察するのはどちらが良い?



 夜遅くまで、自主的に準備をしているグループもあり、その熱心さに感動しました。明日は、一体どんなプログラムが展開されるのでしょうか?とても楽しみです!



■2日目

 2日目は、いよいよ、指導実習本番の日です!3つのプログラムは参加者として体験しますが、1つは自分達が指導者として行わなければなりません。ちょっと、ドキドキです!?

 どのグループもオリジナルな工夫がされていて、楽しいプログラムとなっていました。さらにより良いプログラムとするために、お互いに、プログラムのどの点が良かったのか、どこを改善するとよいのかを話し合いました。

 自分たちでは、気づかなかったことに気づくことができたので、次回行う時には、さらにステップアップされていることでしょう。  

いよいよ発表です!




プランクトンを観察しよう:自分で採取したプランクトンを虫眼鏡で観察
つり橋
潮汐の仕組みを知ろう:海岸にあった竹を利用して、満潮時と干潮時の海面の高さの差を体感しました(4.5Mの差がありました)



なぎさ水族館:干潟では、カニやハゼなどのたくさんの生物を発見

海のカルタ作り:どれも素敵なカルタ!カルタとりは大人でもかなり盛り上がりました



■研修を終えて

 すべてのプログラムを終え、閉会式では修了証書授与が行われ、無事終了しました。

〜参加者の声〜
 ・小学生を対象に、水産関係の説明会を行っています。今までは、一方通行の説明で終わっていたように思います。今回の研修プログラムを参考にしてぜひ行ってみたい!

 ・かなり良い研修で、すぐにでも導入できる内容でした!この研修を受けて、一回り成長できた気がします。新しい知識を子どもたちに伝えたいと思います!

 ・2度目の参加です。とても参考になり、元気がでました。全国の仲間と話すことができ、問題のある点などを話し合い、解決法を見つけることもできました。

 ・研修地に地元(宇城市)が選ばれ、不安でしたが、たくさんのインタープリテーションの素材があることに気づかされました。地元であるがため、潮の満ち干きなど当たり前だと思っていた意識が変わり、宇城市の「地域性」を学ぶことができました。



 B&G財団は、今後も、全国480ヶ所のB&G地域海洋センターの地域指導者に、自然体験の指導時に役立つ「インタープリテーション」のノウハウを身につけてもらい、1人でも多くの子ども達に、体験的に学べる機会を提供していきたいと考えています。
修了証書授与
B&G財団部長遠藤より修了証書が授与されました


集合写真
参加した皆さん、お疲れ様でした!


日本財団助成事業 ありがとう競艇