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B&G特派員便り:初の体験交流型修学旅行を開催!(山口県 周防大島町B&G海洋センター)
     〜 秋晴れの瀬戸内海を神奈川の中学生がカヌーにチャレンジ! 〜

■ 周防大島町の初の試み
 
 平成20年11月5日(水)、神奈川県藤沢市の湘南学園中学校の3年生が修学旅行で山口県周防大島町を訪れ、周防大島町B&G海洋センターでカヌーにチャレンジしました。
 この事業は、周防大島町の商工観光課の事業で、町の「体験交流型観光推進協議会」が主催し、湘南学園中学校の3年生214名の修学旅行を誘致して、農漁業を中心とした様々な体験を通して交流を深めるとともに、町の活性化を図ろうというものです。
 この「体験交流型観光推進協議会」は、“体験交流観光を推進し、都市や山間地域との交流を深めることにより、地域振興及び農漁業の活性化、民宿・旅館業等の振興に資する”ことを目的に、今年6月に設立された協議会です。
山口県周防大島町で初の体験交流型修学旅行
山口県周防大島町で初の体験交流型修学旅行(神奈川県湘南学園中学生)を受け入れ

■ 17種類の多彩な体験プログラム
 
 今回は、広島・宮島を巡る4泊5日の行程の内、1日を周防大島町での体験プログラムとしています。体験プログラムのメニューは、「カヌー体験」をはじめ、特産の「大島みかんの収穫体験」や「みかんの缶詰づくり」、先日テレビで全国に紹介された、冬の名物「みかん鍋づくり」、そのほか、「磯釣り」や「地引網漁」、「カキ打ち(カキをむき身に加工すること)体験」など、17種類のプログラムを11班に分かれて、午前と午後で1人2種類のプログラムを体験してもらいました。事前のアンケートでは、「カヌー体験」が一番人気で、定員の20名をはるかに上回る90名の応募がありました!
バディを組んで人数確認
これから始まる「カヌー体験」に胸をはずませる生徒のみなさん(バディを組んで人数確認)

■ 初めてのカヌー体験
 
 8時30分、午前の部の参加者は海洋センター艇庫前に集合。参加者に「カヌーに乗ったことはありますか?」と尋ねたところ、はじめて体験する生徒がほとんどでした。湘南はとても有名な海岸なのに・・・、ちょっと意外な感じでした。
 準備体操のあと、導入プログラムとして、“風の吹く方向”を指差しで確認したり、耳を澄まして“この音は何の音か”、海から聞こえてくる音を聞き分けてもらったりしました。都会の子どもたちには、野鳥のさえずりが一番耳に入ってきたようです。
 その後、ライフジャケットの必要性など、海での安全について指導し、カヌーの名称、乗り方、漕ぎ方を一通りレクチャーした後、さっそく穏やかな瀬戸内海に漕ぎ出しました。
水辺のインタープリテーション「感覚の準備体操」
水辺のインタープリテーション「感覚の準備体操」音の方向は?風の方向は?

パドリング練習中 艇庫前でのパドリング練習中
水抜き(アカ抜き)方法 後片付けの水抜き(アカ抜き)方法を伝授
模範漕 出漕前の模範漕に注目

出漕前の様子 出漕前の様子(期待と不安で緊張していました)
パドリング練習中 テトラポットの内側でパドリングも慣れてきました
いよいよ出漕 いよいよ出漕です!!

■ 海のきれいさと完漕の達成感に感動
 
 初めてのカヌー体験に「キャーキャー」とたくさんの奇声が飛び交いました。しばらくの間、堤防の内側で練習をし、少しずつ慣れてきたところで、いよいよ1km先の“無人島”にチャレンジです。
 速い生徒たちは上手に20分程度で、慎重な生徒たちも40分程度で全員無事に到着することができました。女性の体育の先生が、男子生徒に負けず劣らず、スイスイとカヌーを漕いでいたのにはビックリしました。全員到着後、無人島を各自で自由に散策。参加者は“海のきれいさ”と“完漕の達成感”で、とても感動していました!
 午後の部も、全員無事に完漕することができましたが、午前中の疲れが出たのか、少し元気がなかったのがちょっと残念でした。他のプログラムでも同様に、午後のプログラムは少し疲れている生徒が多かったようなので、次回以降はスケジュールを検討し、改善していきたいと考えています。

 プログラム終了後、みかん収穫体験を指導した農家のお年寄りたちからは、「若い人たちとふれあって元気をもらった」と嬉しそうでしたし、生徒たちからは「周防大島の海と山を満喫できてとても楽しかった」と喜んでくれましたので、初めての試みとしては、十分に成果をあげることができたのではないかと思っています。
無人島にチャレンジ
無人島にチャレンジ(右側の島 彦島)

出漕 無人島をめざして、緊張しながら漕ぎ出しました
無人島到着 頑張って無人島到着
復路の出発前 復路の出発前です

復路 復路はスイスイと真っ直ぐに進みました
体験終了後の人数確認 体験終了後の人数確認「バディ」の声もみんな元気です
感想を述べる生徒さん 最後にひとりずつ感想を言っていただきました(旅行会社の随行カメラ撮影に緊張気味な生徒さん)

* 参加者の感想

 「まさか、“無人島”まで行くとは思っていなかったので、完漕できてとても嬉しかった!」(女子生徒)
 「カヌーはやったことがあったが、今日体験したようなカヌーは初めてだったし、名称とかいろいろな漕ぎ方を教えてもらったので、とても良かった」(男子生徒)

* 担当者の感想

 商工観光課 浜口班長
 町民の皆さんに、今回の修学旅行の話をすると、皆さんボランティアで、遊歩道を修理したり、海岸を清掃したりと、事前からいろいろと協力をいただきました。修学旅行がもたらす影響は非常に大きく、地域に良い変化があったことは、とても良かったと思っています。
 当日は、事故もなく無事に終わり、学校の方々や旅行会社の方にもたいへん好評で、来年の予約までいただきました。今後の取り組みの原動力になると確信しています。
 これからも、この「体験交流型観光」を農漁業の低迷や高齢化の著しい本町の生き残り戦略として推進していきたいと思います。また、本町に修学旅行が誘致できたのも、B&G海洋センターの存在が非常に大きいと感謝しています。

* 特派員の感想

 初めての修学旅行の受け入れで不安もありましたが、天候にも恵まれ、生徒たちにもたいへん喜んでもらったので、一安心しています。来年の予約もいただきましたので、再度プログラムを検討し、できるだけたくさんの方にカヌー体験をしてもらいたいと思います。また、今度は、地元の海洋クラブの子どもたちとの交流もできればと考えています。
記念写真(午前班)
無人島で記念写真(午前班)

記念写真(午後班)
無人島で記念写真(午後班)

取材:中国ブロックB&G特派員 山口県周防大島町B&G海洋センター:古崎 敏雄