9月9日(日)、葉山海洋クラブで、プロセーラーの西村一広さんを講師に迎えて「ヨット練習会」が開催されました。西村さんは、葉山在住のプロセーラーで、昨年の『B&Gドリームキャンプ』で講師を務めた方です。その他、サポートスタッフとして、3名のインストラクターに協力いただいて、講習会を実施しました。当日は、天気・海況ともに最高のコンディションの中、参加した海洋クラブ員19名は、思う存分、ヨットを楽しみました 。
海面がザラザラしてきた、風がくるよ!
この練習会では、アクアミューズを3艇使用しました。まず、はじめに艤装。1艇に1人ずつインストラクターがついて艤装を教えてもらいます。艤装をしながら「セールの形を見てごらん。ここはこうやって結んだ方が引きやすいんだよ」などのワンポイントアドバイスをもらいながら、楽しく艤装を習いました。いつもの”アクアミューズ”が、なんだかいつもより楽しいアクアミューズに変わっていきます
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艤装が終わり、いよいよ出艇です。保護者1名、子ども1名、インストラクター1名の3名で乗艇します。南の風3〜4m、時折ググッとヨットをヒールさせる強いブローが吹き、実におもしろいコンディションです
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初めはインストラクターが操船しますが、ヨットの動きに慣れてくると、ティラーは順々にお父さんお母さん、そして子どもの手に渡されます。着艇のころには、どの艇もうまく操船できるようになりました。一緒に乗っていた子どもたちも「海面がザラザラしてきた!風がくるよ!」などと、風を見つけるのが得意になり、それをスキッパー(舵取り)に伝えられるようになりました
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あれ?風は?
昼食後はレースに挑戦です!2つのマークをアビームで走ります。マーク回航はタッキングもジャイビングも行います。レースはもちろん、ジャイビングも初めての体験です!午前と同じくインストラクターが乗り込むものの、舵をもつのはお父さんお母さん、そして子どもたち。みんなでコースを確認したら「5秒前!」。西村さんの声にみんな真剣なまなざしでマークを見つめます。そしてレーススタート!
各艇とも確実に風をとらえてスイスイと進んでいきます。浜辺からは「がんばれー!」応援の声が響きました。レースは2回行われ、途中、風が「ぴたっ」とやんだり、反対から吹き始めたりと、初めての体験に悪戦苦闘。「あれ?風は?」と首をかしげることもありましたが、それぞれ見事なレース展開。西村さんは浜辺からレースの様子を見ながら、ニコニコと応援をしてくれました。
“もっと上手になりたい”と思う気持ちのお手伝いをしたい
全ての練習が終わり、西村さんから「僕は、技術のことをいろいろと言うつもりはないんです。ヨットを楽しんでもらえるように今日一日練習をしました。楽しんでいると、進む感覚がわかるようになり、風が読めるようになったりして、自然にもっと速く、上手に走りたい、という気持ちが生まれます。そこから、細かな技術を身につけていけばいいんです。今日は、午後にはあれだけ上手にヨットを乗りこなしていて、僕もびっくりするくらいの上達でした。これからも機会があれば“もっと上手になりたい”と思う気持ちのお手伝いをしていきたいと思います」と総評をいただきました
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また、サポートしてくれたインストラクターの方々も「長年、ヨットの技を競うレースばかりをやってきましたが、今日は皆さんに教えることでさらにヨットの楽しさを感じました。お礼を言われるというよりも、逆にお礼を言いたいです。自分が大好きなヨットを、もっとたくさんの人に好きになってもらえたらと思いました」と話してくれました。