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各種事業/2002年・2003年活動記録

 

こども海洋リサーチ"学習会"開催   場所:九十九里浜海岸 
〜大空の下、38名の親子が自然を感じる〜

 6月21日、B&G財団の新事業の一つでもある「こども海洋リサーチ"学習会"」が、B&G財団と栗橋町海洋センターの共催により、千葉県九十九里浜において開催されました。この日は、梅雨の晴れ間で、気温33の真夏日になり、絶好の観察日和。埼玉県栗橋町から、38名の親子が、海の風と匂いを感じながら、気持ちよく学習会に参加しました。

 「こども海洋リサーチ"学習会"」とは、自然観察などを通じて、海辺や川辺について関心を持ってもらい、自然環境を守ることの大切さを再確認していただくことを目的に実施するものです。今回は、九十九里浜海岸を見学し、砂浜の現象などの様々な自然現象がどうして起こっているのかを講師の先生の説明を聞きながら勉強しました。

 


栗橋町斎藤町長が挨拶

【講師紹介】
清野聡子 農学修士・工学博士。1964年生まれ。東京大学大学院 総合文化研究科広域システム科学科 助手

 《主な研究内容》
  ・海辺や川の環境の研究している。水の生き物がすむ環境を、人間の生活と折り合いをつけながら、どのように守っていけるのかを考えている。特に、イカやタコ、カブトガニの生物学、漁村の生活、環境の移り変わりについてが、中心的な研究テーマ 。



講師の清野聡子さん
まずは、九十九里海岸を一望できる刑部岬展望台へ。  海の生き物ってどうやって息をするの?
 
  刑部岬展望台から、九十九里浜方向を眺めると、浜の地形・消波ブロックの位置・飯岡漁港と海岸の位置関係・波が向かう方向など、浜全体を見ることができ、今回観察することとなる九十九里浜の全体像を把握することができました。
 清野さんは、「太平洋からはるばるきた海の波が、海岸近くでぶつかって白くなる。この白い所が、まさに、海の水と空気と陸が触れ合う所なんです。これにより海の生き物たちに酸素を運んでいるんです」と解説されました。



すごく見晴らしのいい場所

屏風ヶ浦で海食崖を見て、飯岡漁港をバスの車窓から見学。  不思議な岩があるんです

 海食崖が続く屏風ヶ浦。東洋のドーバーとも呼ばれる独特の景観で有名です。非常に脆い泥岩で形成されているこの崖は、太古の昔から九十九里浜に砂を供給し続けてきました。この崖も、消波提の設置によって現在は後退が抑えられています。崖の上では、畑や公共施設などの土地利用がされており、国土保全を優先するべきか、自然環境を優先するべきか、考えさせられる場所です。
 こどもたちは、この脆い泥岩を不思議そうに触っていました。「あ〜簡単に崩れちゃうよ〜」とあちらこちらで声が上がっていました。

*海食崖 ・・・ 波の荒い外洋に面した海岸線に多く見られる地形で、山や台地が波浪によって侵食され、海面から直接切り立った崖となった海岸地形のこと。
 
不思議だなぁこの岩
自然豊かな堀川海岸を散策。  海にはたくさんの教材が落ちていました
  昔ながらの自然豊かな九十九里浜の姿を見ることができる貴重な海岸です。ここには、様々な貝や生物やその死骸、植物、人々が捨てたゴミなどたくさんの教材が転がっていました。子供たちは一生懸命になって探してきては、「これは何?これは?」と清野さんに積極的に質問していました。
  コウイカの死骸と白い物体を見つけてきた子供に対し、清野さんは、「コウイカですねこれは。この白い物体はね、コウイカの体の中にあって、コウイカが浮くためのものなの。ビート板みたいなものです。例えば、鳥の羽だけ落ちてても何の鳥かわからないけど、その近辺を見て周れば、なんかヒントがあったりして。これから何かなって、推理するのも楽しみです」と、その他にも様々な解説をしてくださいました。また、珍しいすなめりの死骸があり、この日はたくさんの教材に恵まれました。

 


珍しいすなめりの死骸

最後に本須賀海岸で広がる砂浜を見学。  〜今日一日を終えてこう思いました
 本須賀海岸は、侵食が叫ばれる九十九里浜で唯一砂浜が広がった海岸です。これは沖へ長く伸ばした片貝漁港の防波堤が沿岸流を遮断したことによる異常堆砂が原因です。

  今回参加してくれた子供たちからは、「貝も拾えたし、種類も知れたしおもしろかった」「ここに捨ててあるゴミは、みんなが捨てたゴミ。魚たちや生物たちに悪い」いう意見が出ていました。また、保護者の方々は、「観光地の海しか行った時がなかったので、汚い海はある意味新鮮で、ありのままの海も見て考えらさせられました」「実際、子供と一緒に海に行って、これ何?と聞かれても答えられなかったのですが、今回、講師の先生がいてくれて、細かい説明をして下さったんで、大変勉強になりました。親も知らない事を子供と一緒に学べてとてもよかった」など有意義な一日となったようでした。

 この学習会を通じて、海と人々の距離も縮まり、また、親と子の距離も縮まったりと、新しいコミュニケーションの取り方の一つですね。やはり、話を聞いたり、文章で知識を得るよりも、見たり触ったり、体で感じることが子供たちの頭の中に強く記憶として残るのでは?と感じた一日でした。
 (情報課 米内)

 


この貝はなんでしょう?


砂丘の広がった本須賀海岸

ねぇねぇこれは何?

線の所まで浜だったんだ  

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